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「国産ナタネの灯を消すな!緊急要請」行動報告


国会内で緊急要請

6月11日、国会内で、農水省を相手に「国産ナタネの灯を消すな!緊急要請」を行いました。これは、ナタネ生産への助成金が08年産で終了するため、9月からの播種期を前に、このままでは国産のナタネ生産が消えてしまうことから、緊急要請したものです。 消費者・生産者団体の代表や、民主党、共産党、社民党、新党日本、自民党などの多数の国会議員も同席するなか、農水省の生産局担当者などに対して、@国産ナタネ生産助成金の継続、A食用油への遺伝子組み換え表示、B原料ナタネ種子の供給体制の構築、C国産ナタネの自給率向上を図る生産振興措置を求めました。

「ほしい消費者が高いお金を払えばいい」

これに対して、農水省側は、「ナタネは地域特産物としての振興を進めるために1俵あたり5千円の助成をしてきたが、これを今年でなくす。今後は『産地づくり交付金』の中で、各地で地域特産物として交付金の活用などが考えられる」「5割くらい(あとで指摘を受けて3割に訂正)は助成金が無くてもやっている。税金をこれ以上投入できない。ほしい消費者が助成金と同額の200円から300円を、いまより高くお金を出せばやれるのでは」などと政府責任を放り出す発言をし、参加者からブーイング。打ち切り強行の姿勢を崩しませんでした。

これに対して、参加者からは「数百カ所でナタネ生産を増やす意欲的な動きがあるのに、つぶすようなことはしないでほしい」との意見が出されました。国会議員からは、「今までの少品種大量生産から多品種少量生産への転換が必要。今生産が止まると、転作作物として維持してきた他の作物とのバランスをくずしてしまう。今から30〜40年前、EUではナタネも大豆も自給率はゼロだったが、補助金をつけて増やしてきた」「もうからないとかいうことでなく、食糧として必要かどうかの視点がない」「ナタネを含む世界的な穀物高騰やバイオマスエネルギーが大切になっている時代に逆行するものだ」「休耕地の活用などでもっと振興すべきだ」「ナタネ全体で6千万円程度の助成がなぜ継続できないのか。バイオ燃料研究が1地域60億円の予算と比べても微々たるもの。無駄なものはもっとあるはずだ」などと、ただしました。

GM表示についての質問には沈黙

GM表示の要請について、表示担当官は「製品の油では検知できないので表示されないが、任意表示で国産を選べる」と説明。これに対し、原料で検知すればすべての食品に表示が可能となる、なぜ原料をもとにした表示制度にしないのかと迫ったところ、担当官は回答不能でした。現在の表示制度は科学的根拠によったふりをして実は日米関係に配慮した政治的意図によるものだからでしょう。GM表示の徹底をあわせて求めていかねばなりません。

最後に、「9月には、来年用のナタネの種まきの時期となる。早急に対策を打ち出すべき」と迫り、農水省は、「予算の概算要求の8月末までには明らかにしたい」と答えました。

さらなる要請が必要に

今後も、全国各地の団体に呼び掛け、賛同をさらに増やし、要請を強めていきます。

また、各党の代表からも、「国会内でもこの問題を取り上げていく」との表明がされました。最後に、この日までに集まった賛同99団体名を記載した要請文と個人賛同署名1768筆を農林水産大臣宛に手渡しました。

小麦、大豆も交付金削除、日本国内農業崩壊へ

また、ナタネのみならず、交付金を削除したのは小麦、大豆も同様です。米の減反強化政策ともあわせ、輸入自由化を金科玉条にする米国や国内財界の過った農業政策を正さねば、日本農業の崩壊となり、食糧安全保障上、取り返しのつかないことになります。要請行動を引き続き行い、賛同団体をさらに増やしていきます。どうぞ、呼びかけを広めてください。また、賛同いただける団体は団体名、住所、電話番号、E-mailアドレス、担当者名を記載のうえ、下記にお知らせください。

Email:webmaster@yasudasetsuko.com FAX:045−962−0508

緊急要請文と要請賛同団体についての最新情報はこちら。

(2008/07/03)

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