大ざっぱに作られていた遺伝子組み換え作物
遺伝子組み換え作物の作り方
「具体的にはどうやって作るのか?」 という疑問を持つ方は多いと思います。実際には、3種類の方法があり、それについては、「FAQ」の方で、それぞれ解説しています。まずは、そちらを読んでいただければ、このあとの話がわかりやすいと思います。
どこに組み込まれるのか誰にも分からない?!
さて、まず『アグロバクテリウム法』ですが、これは、植物にコブを作る細菌(=アグロバクテリウム)を利用して、コブの代わりに有用遺伝子を置いてきてもらう、という考え方なわけです。
ところがアグロバクテリウムにしてみれば、 どこに置こうが、コブさえ出来りゃいい のでありますから、人間が期待した場所へ遺伝子を置いてくるとは限らないわけです。
他の方法も同じ問題を抱えてる
『エレクトロポレーション法』にしても、組み込まれた遺伝子が、染色体配列のどの部分にはいったのかわからないですし、『パーティクルガン法』にいたっては、 とにかく何個も打ちこめば、たまには上手い具合にはまり込むのもある という考え方です。
これらは当然の事、組み込む遺伝子がどこにはまったかだけではなく、どの部分を壊してしまったかも一切わからないという、大変アバウトな方法なのです。
調べられていない安全性
遺伝子とは、全体として1つの機能を果たすものです。相互に関連し合いながら、完璧なシステムとして機能しているのです。
そんな精密機械のような中へ、突然異質な遺伝子が侵入してきたとき、いったいどんな事がおきるか、それは誰にも予測がつきません。
「FAQ」でも紹介した、『L-トリプトファン事件』 の場合、死者を出すに至った不純物の量は、わずか100〜200ppm(ppmは100万分の1)という微量です。
常識的に考えれば、組み換え作物の微量成分だって、そのレベルまで検査しなければ、安全性が確認されたとはいえないはずです。
しかし、厚生省は、 「費用や時間がかかりすぎるので、(安全性調査は)現実的ではない」 と答弁しています。※97年4月24日衆議院 厚生省食品衛生調査会・寺尾充男バイオテクノロジー特別部会長の発言
これは、コストのためには安全性には目をつぶろうということです。
遺伝子組み換え食品の安全性というのはこの程度のものだという事を、私たちは心しておくべきでしょうね。