タイトル 「食政策センター ビジョン21」主宰の安田節子公式ウェブサイト/
リンクは自由です(連絡不要)/お問い合わせは管理者まで
 

遺伝子組み換え食品FAQ

※皆さんの持つ疑問を「質問用フォーム」へどんどんお寄せください。ただし、いただいた質問すべてにお返事を差し上げることはできないので、その場合はご了承ください。

大分類 ページ内にジャンプします

技術的なQ&A
安全性についてのQ&A
規制・表示についてのQ&A
環境についてのQ&A
バイオ食品ビジネスについてのQ&A
その他のQ&A

遺伝子組み換え食品について(技術的なお話)

食品としての安全性について

規制と表示について

環境へ与える影響について

バイオ食品ビジネスについて

その他について


遺伝子組み換えってなに?

まず遺伝子暗号を解析して、どんな働きをしているかを調べます。そうすると特定の遺伝子の働きを押さえたり、またはこれを切り取って、別の生物の遺伝子配列の中にいれこみ、新しい性質をもった生物を作り出す事ができます。このような技術の事を、遺伝子組み換えといいます。

遺伝子組み換え食品ってなに?

遺伝子組み換え技術によって作られた、まったく新しい食品の事です。

遺伝子組み換え食品には、どんなものがあるの?

大豆やとうもろこしやナタネ、ジャガイモやワタ(綿)が代表的です。日本で流通しているのは、基本的に海外から輸入されたものです。

遺伝子組み換え食品と普通の食品との違いは?

いろいろな性質の違いがありますが、一番多いのが、除草剤耐性です(全体の71%)。次が殺虫性です(28%)

除草剤耐性作物ってなに?

たとえば、モンサント社が開発した遺伝子組み換え作物に、ラウンドアップ耐性という性質のあるものがあります。これは、ラウンドアップという自社の農薬(除草剤)に抵抗力を持たせたものです。

殺虫性作物ってなに?

作物自体に殺虫能力をもたせたものです。その作物を害虫がかじると、死んでしまいます。

農家にとって、除草剤耐性作物のメリットってなに?

農家にとっては、使用する農薬(除草剤)の種類と回数を減らせるといわれます。その結果、人件費を減らせ、コストダウンが可能になるというわけです。

農家にとって、殺虫性作物のメリットってなに?

メーカーによれば、作物自体が虫を殺すので、殺虫剤等の使用を減らす事が出来るという触れこみです。その結果、人件費を減らせ、コストダウンが可能になるといわれています。

除草剤耐性にしろ、殺虫性にしろ、アメリカなどの広大な土地での農業でないと、農家にとってのメリットは出てきません。

組み換え体利用ってなに?

微生物に遺伝子操作して有用物質、例えば食品添加物などを作らせることです。

一例としてチーズを作るとき、「キモシン」という天然酵素が必要ですが、これは高価です。

ところが、遺伝子操作をしたバクテリアによって、本来子牛の胃の中にしか存在しない「キモシン」を作り出す事ができます。これを増殖させたものが、人工的で安価な「バイオキモシン」です。

これをチーズなどに使えば、安価に製造できるというわけです。

「組み換え体利用」の安全性は?

「組み換え体利用」の食品で、大規模な食品公害事件が起き、死者が出た事があります。俗にいう、「L-トリプトファン」事件です。

「L-トリプトファン」事件ってなに?

1988年から89年にかけておこった食品公害事件です。必須アミノ酸である「L-トリプトファン」を、サプリメントとして昭和電工が組み換え体利用で製造しました。

ところが、これを食べた人で、米国を中心に1543名もの健康被害者を出し、死者は38人にものぼりました。

これは白血球の一種の好酸球が異常に増加し、全身の筋肉痛に襲われるという、EMS(好酸球増加筋肉痛症候群)と呼ばれるものです。

「L-トリプトファン」事件の原因は?

昭和電工のトリプトファン製造過程において用いられた組み換え微生物が、予期せぬ2種類のたんぱく質を作り、それが不純物として製品に混入した事が原因と見られています。

このように、微生物が遺伝子組み換えによってどのような挙動を示すのか、100%わかっているわけではなく、思いがけない物質が出来てしまう可能性は、常にあるといっていいでしょう。

「実質的同等性」って誰が考えたの?

90年代に入ると、米国のバイオ企業からの圧力が強まり、さらに米国経済の向上を狙う米国の政策面によって、次々にゆるい規制が発表されました。

その中で、FDA(米国食品医薬品局)が打ち出したのが、「実質的同等性」の確認という、新しい安全性評価の考え方です。

具体的に「実質的同等性」とは?

遺伝子組み換えの作物と普通の作物を、見た目、主要成分、性質などで比較し、ほぼ同等とみなせれば、あとは遺伝子操作によって新しく作られる物質の安全性が確認されることにより、安全性がもとの作物と同等とする考え方です。

ちなみに日本の厚生省の安全性評価指針も、同じ内容です。

「実質的同等性」の問題点とは?

この考え方の問題点は、作物全体としての安全性が調べられていないという点です。

長期間食べつづけて大丈夫なのかどうかという動物実験、アレルギーの臨床テストなどは、まったく行なわれていないのです。

なぜ安全性を調べないのか?

企業にとって、まともに安全性を調査すれば、コストがかかるからです。それに比べ「実質的同等性」の論理であれば、開発企業のコスト負担は大幅に減らせます。

遺伝子組み換え食品というのは、もとより、組み換え作物開発企業の利益重視という、政治的な思惑により、普及してきたものなのです。

安全性は立証されたのか?

安全性は、充分に立証されたとは言えません。長期にわたる健康への影響や、赤ちゃんへの影響といった、必要最低限の評価すら不要とされる現在の指針では、消費者の健康と安全は守られません。

むろん、第3者機関による安全性のチェックすら、現在はありません。

「ラウンドアップ」ってなに?

多国籍バイテク企業、モンサント社が生産する、世界で一番の売上を誇る除草剤です。

これは、植物のアミノ酸生成を阻害し、植物ならみな枯らしてしまう非選択性の除草剤といわれる、とても強力なものです。

モンサント社が遺伝子組み換え作物を開発する理由は?

強力な除草剤「ラウンドアップ」耐性の作物を開発する事により、今まで「ラウンドアップ」が使えなかった大豆やナタネに使用出来るようになるからです。

おかげで、空中散布しても作物は枯れず、大幅な省力化が出来るようになりました。

この結果、除草剤の売り上げが大幅にアップし、大きな利益を得るようになりました。

代表的な開発企業は?

モンサント社(米国)、ヘキスト・シェーリング・アグレボ社(ドイツ)、ローヌ・ブーラン社(フランス)、ノバルティス(旧チバガイギー)社(スイス)といった企業です。

みな、国際的な農薬メーカーで、自社の除草剤と、その耐性作物の種子をセット販売しています。

農家は特許料を支払うって?

98年7月に聞いたアイオワ州の組み換え展示ほ場の農場主の話によると、普通の大豆が17,95ドル。

ラウンドアップ耐性の組み換え大豆は24.45ドル

このうち種代は19.45ドルで、ライセンス料が5ドルということです。

このように、開発企業は組み換え作物において、種苗・農薬・使用権料・特許料で利益をあげる事ができるのです。

遺伝子組み換え食品の最大の輸入消費国は?

日本です。豆腐、しょうゆ、油、スナック菓子、大豆タンパク、コーンスターチなど、数多くの食品となっています。また、家畜の餌として、大量に使われています。安全性は調べられていません。

なぜ食べないほうがいいのでしょうか?

遺伝子組み換えジャガイモを食べさせたネズミの実験では、脳を含む臓器の重量が小さかったり、免疫力が低下したりという結果が出ています。

アレルギー性についても十分調べられておりません。このように、食品としての安全性が確認されていないからです。

食料危機を救う技術ではないのですか?

ちがいます。イメージはどうであれ、現実は、飢餓を救うような多収量とか、乾燥に強い品種などを開発しているのではなく、農薬企業が自社の農薬とセット売りで儲けようと、自社農薬の耐性作物を開発したものです。

消費者にとって安くなるとかのメリットはあるのですか?

食べる側には何のメリットもありません。混ぜて輸出されるので、価格が安いわけでもありません

逆に、分別コストがかかるからと、非組み換え作物(今まで食べていた普通の作物)の価格が上がってしまいました。

栄養価が上がるなどの改良ですか?

栄養価が高いわけでも、美味しくなったわけでもありません。

逆に、『今までと実質的に同等』などといわれ、消費者にとって、潜在的なリスクだけを負わされる食品なのです。

世界各国の状況はどうなのですか?

詳しくは、●コラムの方にかいてあります。一般的にいって、ヨーロッパ諸国は、組み換え作物に対して厳しい対応を行なっています。

なぜヨーロッパはアメリカにNO!といえるのですか?

なぜアメリカなどの輸出国に対し、輸入側であるヨーロッパが強い態度に出られるのかといえば、ヨーロッパ諸国がほぼ自給できているからです。

自給力を背景にした自立的関係があるため、米国に対応できるのです。

なぜ日本は強く言えないのでしょうか?

上の質問と関連しますが、自給率が異様に低いからです。

ですからたとえば、大豆やトウモロコシなどの大量輸入国である日本の表示化は、なんと貿易障壁とみなされてしまいます。ヨーロッパの場合と、ずいぶんな違いです。

分別出荷は可能なのか?

今まで米国は、「不可能だ」といってきましたが、非組み換えの需要が高まり、価格にプレミアムがついてきたとたん、「コストはかかるが可能だ」という態度に変わりました。

絶対無理といいつづけてきた、大手穀物商社カーギルでさえ、分別サービスを手がけると発表しています。

厚生省は、安全性をどのように調べているのか?

厚生省の食品衛生調査会が、安全性評価指針に適合しているかどうか調べているのですが、なんとそれは企業が提出してきた資料を見るだけの審査です。

第3者機関による追試はなされていません。

環境や生態系に影響を与えるのか?

与えます。デンマークの国立リソ研究所で行なった実験では、除草剤耐性ナタネの近隣の雑草が交雑して除草剤耐性を獲得し、3代先まで伝えた事が確認されています(Nature,March7,1996

こうして、雑草に農薬が効かなくなると、今度はもっと強力な除草剤の散布が必要になってしまいます。

他の生物に影響を与える事は無いか?

殺虫性作物が、目的とした害虫以外の生物に影響を与える危険性はあります

一例として、殺虫性作物が、農業にとって大切な土壌微生物やミミズを減らすという報告がなされています。(オレゴン州立大学インガムら、1995

組み換え作物が生物に影響を与えたという報告はあるのか?

いくつもあります。たとえばフランスの比較無脊椎神経生物学研究所の実験で、組み換えナタネの花の蜜を吸ったミツバチの寿命が半分になり、花のにおいを嗅ぎ分ける能力が半分になったという報告があります(New Scientist,Aug.16,1997

ほかにも、殺虫作物を食べたアブラムシを捕食したてんとう虫の寿命が短くなったり(New Scientist,Jan.1,1997)、同様にしてクサカゲロウが死んだりと、益虫にも影響する事がわかっています。(New Scientist,June 13,1998

生物特許とは?

現在、先住民が昔から薬用としてきた生物種の情報を、先進国の企業が聞き出し、採集し、遺伝子解析を行なう事が進められています。

自然にある動植物の有益な遺伝子を発見すると、遺伝子組み換えにより、有用な作物や薬などが開発できるからです。

従来、生命は特許の対象ではなかったのですが、米国が生物特許を認め、その他の先進国でも認める方向に向かっています。

生物特許のもつ問題とは?

そういった生物種のホットスポットはみな南にあり、そこでは先住民が有用なものを守り育ててきました。

ところが先進国の研究者が遺伝子解析によって有用遺伝子を発見すると、それに特許をかけて、開発者の利益のために私物化してしまいます。

その種苗を長い間守り育ててきた人々の権利はまったく省みられません。

生物特許は、遺伝子を略奪する行為として、今、途上国の人達から非難が高まっています。

今までの品種改良との違いは?

今までは、品種改良といっても、交配を繰り返すという方法で行なってきました。これとは違って、遺伝子組み換え作物では、遺伝子を直接入れかえるという方法で、まったく新しい品種を作り出していきます。

長い時間をかけて交配して行くのと比べて、まったく違う種(例えば昆虫や哺乳類でも)の遺伝子を取りいれる事が可能になる点が、最大の違いです。

遺伝子組み換え作物の作り方を教えて

これは長くなるので、まず、代表的な3つの方法をここに上げておきます。1つは『アグロバクテリウム法』、2つ目は『パーティクルガン法』、3つ目は『エレクトロ・ポレーション法』といいます。

「アグロバクテリウム法」ってなに?

最も最初に行なわれた方法です。

「アグロバクテリウム」というのは、土壌細菌の事です。普通、この細菌は植物に寄生して、その根にコブをつくって、それを養分として増殖します。

つまり、この微生物は、”コブを作る遺伝子”を持っていて、それを相手の植物の遺伝子に送りこむ性質をもっています。

で、”コブを作る遺伝子”の代わりに、”有用遺伝子”を組み込んで、再びこの細菌に戻せば、この細菌自らが有用遺伝子を相手の植物に送りこんでくれるのです。

「パーティクルガン法」ってなに?

「アグロバクテリウム法」は、穀物など、堅い細胞壁の植物ではうまくいきません。そこでアメリカで開発された方法がこれです。

まず、”有用遺伝子”を、金の微粒子に張りつけて筒の中にいれます。そして、下に置いた植物の細胞に向けて、高圧ガスなどで、(空気銃の様に)打ちこむのです。

「エレクトロ・ポレーション法」ってなに?

日本で行なわれている方法で、これも穀物に適用します。

細胞壁を取り払った(プロトプラストの状態という)、むき出しの核と、導入したい遺伝子を一緒に溶液に入れ、それに電圧をかけます。

すると、むき出しの細胞の表面に一時的に穴があいたような状態になり、遺伝子が入っていけるというわけです。

上の3つの方法のそれぞれの弱点って?

「アグロバクテリウム法」は、細胞壁の堅い植物(穀物など)ではうまくいきません。

「エレクトロ・ポレーション法」は、穀物でもいけますが、むき出し(=プロトプラスト)の状態にするため、ササニシキやコシヒカリなど、品種改良を積み重ねたため、生物学的に弱くなったものには適用できません。

「パーティクルガン法」は、ほとんどの植物に適用できますが、物理的に打ちこむという特性から、遺伝子が働く確率が極めて低いという弱点があげられます。

日本で遺伝子組み換え食品を栽培している農家はあるのですか?

一部の農家が、試験的に組み換え大豆を栽培しています。しかし、商業生産と云う形では、まだ行なわれていません。

栽培農家がどこにあるか教えて下さい

1つ上に書いたとおり、組み換え大豆の試験栽培がいくつかの農家で行なわれていますが、それは、北海道や岩手県などの一部の農家で行なわれているといいます。

なお、モンサント社は、現在、国内大豆の大規模栽培農家に対し、自社の組み換え大豆(及び農薬)を強く売りこんでいます。

組み換え食品と農薬は、どちらのほうが危険なのですか?

農薬は、比較的毒性がはっきりしたものが多いのに対して、組み換え食品は、毒性(特に慢性毒性)が調べられていないという、未知の部分があります。

このようにリスクの種類が違うため、簡単には比較できないと思います。

なお、長く使ってきた農薬といえど、最近になって環境ホルモン作用が発見されるものが出てきたりなど、新たなリスクが出現してきたものもあります。

家畜の餌として使われた場合、その家畜を食べる人間には害はないのですか?

家畜の餌の自給率は0%ですから、日本の家畜の餌の内の相当量が遺伝子組み換えです。

そういった餌を食べた家畜の肉や卵を人が食べた場合、いったいどうなるのかは、現在のところ調べられていません。

しかし、参考になる実験はほんの少しですが存在します。(次の質問で説明します)

組み換えられたDNAは、消化液で消化されるって聞いたけど?

ところが、ドイツで行なわれたネズミによる実験では、こんな結果が出ています。

まず大腸菌(M13細菌)のDNAをネズミに食べさせた後、調べてみると、消化液で消化されるはずのDNAが、消化されずに腸壁から体内へ吸収されてしまったのがわかりました。

さらに同じ実験を妊娠中のネズミで行なったところ、DNAが胎児の臓器へ移動した事が判明しました。

さらに今年(2000年)行なわれた別の実験では、組み換えナタネに含まれるDNAが、その花粉を集めるミツバチの、腸内微生物に移動していたことが発見されました。(※)

これは、今まで推進側の人達の云っていた事とは正反対の実験結果です。 ※ドイツのイエナ大学ハンス・ハインリッヒ・カーツ教授の実験による

「PCR negative」というのはどういう意味?

「PCR negative」とは、ロット(生産単位)のサンプリングテストにおいて、『PCR法による検査では遺伝子組み換え品種は検知されなかった』という意味です。

この場合、サンプリングの割合がどのくらいなのかが重要になってきます。(PCR法については別項で説明します)

「PCR法」って何?

『ポリメラーゼ連鎖反応法』といいます。微量のDNAから、ある特定部分を短時間で大量に増幅する技術の事。

トウモロコシは、どうやって遺伝子を組み換えるのか?

トウモロコシの場合は、切り取った葉の細胞に、微生物から取り出した導入遺伝子を金の微粒子 にまぶしたものを、高圧ガスなどで打ち込むパーティクルガン法で行われていると聞いています。(「パーティクルガン法」については別項で説明します)

ちなみに、植物の場合はどの細胞からでも、一個から培養し、分裂増殖させて植物個体を再生させることができます。これを全形成能といいますが、動物の場合は受精卵にしかありません。

環境、生態系に影響を及ぼした場合、解決策はあるか?

原発事故と同様、人の手で元に戻すことはできませんよね。

私は、環境、生態系への甚大な悪影響が否定できないものは生産してはいけないと思います。

消費者の選択に任せれば良いのでは無いか?

確かにそういう意見もあります。最低限表示をせよ、と云い続けているのはそういうことでもあります。

しかし私は、知識のない人の安全だって守られなければならないと思うから、国の責任で規制すべきだと思います。安全性の不確かなものと知らずに、子どもに与え続けてた、なんて悲惨ですよ。

日本で許可されている組み換え農作物は何ですか?

現在日本で流通を認められた作物は、ダイズ、ナタネ、トウモロコシ、ジャガイモ、ワタ、テンサイの6作物35品種です。組み換え米の輸入と生産も認められたところです。生産国でもないのに こんなにたくさん認めているのは日本くらいです。(2001/6現在)

組み換えイネの現状を教えてください

2000年3月に、モンサント社の除草剤ラウンドアップに耐性のある遺伝子組み換えイネ の輸入と生産を、農水省が認めたところです。

そのほか国内企業としてJT、三井東圧、全農、農業研究センターなどが熱心に開発しています。いずれも応用化が間近です。(2000/9現在)

遺伝子組み換え食品の、国の管轄はどこ?

食品としての安全性評価は厚生省です。

環境影響評価と餌の安全性評価は農水省です。

表示については、両省がそれぞれ管轄しています。

農水省が来年四月から遺伝子組み換え食品の表示を一部始めますが、厚生省もほとんど 同じ内容で表示制度を導入することになります。

本来一本にすればいいのですが、省の権限のなわばりを譲らないので、おかしなことになっています。

遺伝子組換え食品の害は子孫にまで続くというのは、本当ですか?

遺伝子組換え食品では、急性毒性だけを調べ、長期にわたる影響や世代を超えた影響は調べていません。(そのデータにすら、改ざんの事実が指摘されています)

だから、安全性はわかっていないのです。

ちなみに、食品添加物の安全性を調べるときは、このように親の代だけという事ではなく、子ども、孫と三代先の影響まで調べます。

今ある遺伝子組換え食品はなにも害をひき起こしていないし、安全では?

人類は、遺伝子組み換え食品を食べ始めて、まだ日が浅いです。そして、今問題になっているのは、食べてすぐ害がでるような事ではなく、微量な有害物質を長期間身体に採り続けることの危険性です。

例えば、有害物質を摂り続けて、10年から30年でガンになるというのは、よく知られた事実です。

遺伝子組換え食品は、体に悪いんですか?

安全性の確認がされていないという事です。

長い間食べ続けて大丈夫かどうか調べられていない、アレルギー性もきちんと調べられていないのです。

安全かどうか、よくわからないものを食べることはできないです。

なぜ、こんなものが出来たのであろうか?

あるとき、巨大な多国籍バイテク企業が、(遺伝子組み換え技術の)食品への応用化で利益をあげたいと考えました。

そして彼らは、それらを緩い安全性審査で販売できるように、米国政府を動かしてしまったのです。

「実質的同等性」は正しいのか?

「実質的同等性」とは、企業が遺伝子組み換え食品を売りやすくするためのゆるい安全基準です。開発企業の強い要望で採用されました。

国際機関では、この評価では消費者の安全は守れないということで、新たな評価システムを今年から検討し始めているところです。

栽培農家は、毎年GM種子を企業から買っているのでしょうか?

毎年GM種子を企業から買っています。

米国モンサント社の場合、自家採種禁止、種子の保存禁止という契約を農家は結ばなければなりません。

種を取って翌年撒いたある農家が、1000万円ほどの高額の罰金を取られた例もあります。

モンサント社は、一度GM種子を買った農家を、探偵を雇って監視したり、翌年のその農家の作物のDNA鑑定を行って調べたりもしています。

この問題の、アメリカでの状況を教えてください

それでは、ざっと全般的に。

まず環境保護庁(EPA)は、大論争の末、安全性評価に項目を追加しました。そのため、今後の申請は企業にとって大きな負担になると見られており、申請のスピードが落ちるでしょう。

反対運動は、米国家族農業者連盟や経済動向財団などが、モンサント社を相手取って、独占 禁止法違反の大型集団訴訟にふみきりました('99年11月)。

市場では、フリトレーやガーバー、ハインツ、マクドナルドなどの大手企業が、次々とGM 原料不使用宣言をして「GM不使用」表示をする動きが広がっています。

グリーンピースなどの市民団体が、食品企業にGM不使用の決定をさせるために、メールやファックス、手紙を送ろうと呼びかける運動をしています。

こんな感じでいかがでしょうか?

摂取するとガンになると聞いたことがあるのですがなぜでしょうか?

遺伝子というものは、必要な場所、必要な時にしか働かないように制御されているものです。

ところが遺伝子組み換え作物は、組み換え遺伝子が常に働くように加工されており、これが別の遺伝子の制御装置を狂わせる可能性があるのです。

その結果、思いも寄らない物質が可食部分に作り出されることになれば、それがアレルギーやガンなどの原因となりえます。

また、抗生物質耐性遺伝子が一緒に導入されているのですが、この遺伝子が作り出す物質を 体内に取りこみ続ければ、やがてガンになる懸念もあります。

スナック菓子から、承認されていない組み換えトウモロコシが検出されたことにつ いての、菓子企業の対応はどうだったですか?

ハウス食品など、メーカーはいち早く非組み換え原料の調達に動きました。

いまでは非組み換え原料の需要が多く、手当てするのは大変なのですが、「早く手当てできたことでよかった」とハウスの人がいっていました。

未承認品種が原料に混入していたという事の責任は、輸出国(米国)に分別や表示を要求せず、また検査体制も敷いていない日本政府の責任問題です。

(スナック菓子において)国が出した、『組み換えに由来するものはない』という報告の後も、議論は続いているのですか?

続いています。そのやりとりをまとめた文書は、「遺伝子組み換え食品いらない!キャ ンペーン」事務局に申し込めば入手できます。(TEL03-3711-7766)

組み換え原料を使ってないというのは信頼しても良いのでしょうか。

「組み換え原料不使用」表示は、米国の船会社や商社の、分別証明書があればできるのです。

しかも、本来ならゼロでなければいけない混入比率は、ダイズでは(目安として)5%、トウモロコシにいたっては割合すら設定されていません。

10%混じっていたって「組み換え原料不使用」表示で売れるというのです。

混入ゼロを期待するなら、現状では国産100%のものを買うのが正しい選択でしょう。

日本が、遺伝子組換え食品やその研究にこだわる理由はなんなのですか?

遺伝子組み換え技術は21世紀の基盤産業と目されています。

そして、応用化に絶対必要なのが特許をとることです。なぜなら、いくら研究開発しても、外国への特許料を上乗せした価格で販売するのでは、高くて競争力が無くなるからです。

そして、欧米企業との特許競争に日本が乗り遅れているのが現実としてありまして、国家プロジェ クトとして特許取得が命題となっているのです。

そんな中でも、比較的日本に有利なのがコメという事で、今はイネゲノム解析に官民挙げて取り組んでいるわけです。

なぜ日本は、組み換え作物を拒否しない(できない?)のですか?

食糧を自給自足できていないというのが最大の弱みなのです。

輸入食糧に6割も依存しているという異常な状況は、食糧輸出国に対する弱い態度となって表れます。

政策方針を、自給率をあげる方向に変更、すなわち食糧の安全保障を高めることが子孫のためになすべき重要課題です。

動物遺伝子ならともかく、植物遺伝子が万一漏れても植物のみの被害なので、神経質になることはないといわれましたが?

植物遺伝子だから安全だというその回答は、事実を正しく伝えていません。

なぜなら植物へ導入する遺伝子は、微生物から昆虫、植物、動物、ヒトの遺伝子でも使うものだからです。

ドイツのイエナ大学ハンス・ハインリッヒ・カーツ教授の実験によれば、組み換え作物の花粉を集めたミツバチの体内微生物に、その組み換え作物の除草剤耐性遺伝子が移行したという結果が出ています。

また実験栽培された土壌に与える影響、例えば土壌微生物やミミズへの悪影響があることも、すでに報告されています。

花粉の飛散も大きな環境影響があり、ミツバチの寿命が短くなったり、組換え植物についたアブラムシを捕食するテントウムシやクサカゲロウの幼虫が死んだ事例もあります。

つまり周辺環境や生態系に深刻な影響を与えるということです。

虫は本当に組み替え作物に耐性を持つようになるのでしょうか?

はい、なります。

米国で商業栽培されている組み換えワタでは、殺虫毒素に耐性をもつ害虫が異常発生して、収量が激減したりしています。

例えば通常の農薬は、虫が増える一時期だけ散布するものですが、それでも耐性害虫がでて農薬が効かなくなりますよね。

しかし、遺伝子組み換え作物は常時農薬成分を出しているので、害虫が殺虫毒素に触れる時間も長く、耐性を持つのが早まるのです。

「トリプトファン事件」以外にヒトへの被害事例はありますか?

ブラジルナッツ事件があります。

米国アグラシータス社が、栄養強化の目的で、ブラジルナッツの遺伝子を入れたダイズを、遺伝子組換えで作り出しました。

この遺伝子がつくる栄養素は、過去にアレルギーは起こした事がないと、文献調査で確認してありました。

ところが念のためにネブラスカ大で行ったアレルギー患者への投与で、ブラジルナッツを食べたときと同じアレルギー症状が引き起こされました。

なぜか、ブラジルナッツのアレルギー物質がダイズの中でも生産されてしまっていたのです。

GMOとは何の略なのでしょうか?

GMOとは、「Genetically Modified Organisms」の略で、遺伝子組み換え作物のことです。

日本での開発企業を教えて下さい

組み換え作物、植物関係については、

医薬品関連になるとさらに多くの企業が開発を行っています。

アメリカではどんな食品に遺伝子組み換えが施されているのでしょうか

ダイズ、ナタネ、トウモロコシ、綿実、ジャガイモ、トマト、テンサイ、スクワッシュなどです。

なお、米国には表示制度がありませんので、消費者が見分けるのは非常に困難です。(2000年11月現在)

しかし、幸いにも米国農務省の有機認証では、GM使用禁止となっています。

「AFTライス」というのは組み換え食品ですか?

AFT=アレルゲンフリーテクノロジーの略かと思います。

これはすでに販売されていますが、遺伝子組換えしたものではありません。

遺伝子組換えでアレルゲンフリーを作り出すのは、容易な事ではないようです。

組み換え作物に無農薬の表示がされるのではと心配です

一例としてですが、米国農務省は、遺伝子組み換え作物を有機農産物として認める案を出しました。

しかし世界中から強い反対のコメントが寄せられ、最終的には有機農産物の基準としては、遺伝子組み換えは禁止となりました。

たとえ外から農薬をかけなくても、作物の中に農薬成分ができているものが有機農作物や無農薬作物と呼ばれるのは、常識からいって通らない話だと思います。

日本のスーパーで、遺伝子組み替えトマトは売られていますか?

キリンビール(株)が販売する予定でしたが、99年秋、消費者の懸念が強いので販売と研究も中止すると発表しました。

ですからいまのところ、組み換えトマトは市場に出ていません。

日本で遺伝子組み換えによるチーズは売られていますか?

表示されていないのでわかりませんが、輸入チーズはその可能性が高いと思います。

日本の乳業メーカーは、以前問い合せたとき、「消費者が懸念しているので使わない」と云っていました。

このように各消費者が、お客様相談窓口などに問い合わせると良いでしょう。

懸念の声がメーカーに多く寄せられていれば、(組み換え作物を)使わない状況を作り出せます。

レストランなどの飲食店が遺伝子組み換え食品を提供している可能性はありますか?

輸入原料を使用していれば、その可能性大です。

ちなみに英国や韓国では、レストランメニューにも表示を義務付けしています。

日本でそういうことがなかなかできないのは、国民が声をあげないからではないでしょうか。

現在の技術では100ppmレベルでの不純物のチェックは困難であると聞きましたが?

技術的には100ppm(※)オーダーの検査は十分にできることです。
※parts per million100万分のいくつ、という意味

環境ホルモンなどはppt(※)のオーダーで検出できています。
※parts per trillion1兆分のいくつ、という意味

ただ、遺伝子組み換えの安全性評価では『実質的同等性』が 確認できれば安全とみなせるので、このオーダーまで詳細に調べるのはコストがかかり現実的ではないと述べられています。(厚生省食品衛生調査会バイテク部会長発言)

このように、技術的な問題ではなく、開発企業のコスト削減のため調べていないというのが正解です。

米アレルギーの人でも食べられる米が遺伝子組み換えで出来ると聞きました

アレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)を減らした米の開発は、確かに手がけられていましたが、結局、商品化は断念されました。

これは、アレルギーとなる可能性のあるタンパク質全てを無くす事は出来無いという事です。

つまり、アレルギー患者Aさんにはアレルギーが出なくても、患者Bさんには起こるかもしれないというようなものだったのです。

スーパーで売られてる物で表示のされていない物には何がありますか?

表示されないものは植物油・醤油・フライドポテト・アルコール飲料・食品添加物・飼料・種などです。

特に飼料には一番多くの組換え作物が使用されていますので、早く表示が必要です。

欧州では餌に組換え作物を使わない畜産品・乳製品が販売される動きが広がっています。NON−GMOミルクとかバター、ハム・肉などです。(2001/3/10)

日本の大豆輸入率は97パーセントですが、輸入分のうちどのくらいが遺伝子組み替え大豆なのですか?

1998年の統計では、輸入ダイズは506万トン(※)です。

輸入ダイズのうち、米国産が389万トンで輸入の75%を 占めます。

その米国産ダイズの約50%が遺伝子組換えダイズですから、389万トンの半分、すなわち195万トンが組換えダイズとなります。

つまり輸入ダイズ全体の約40%が組換え大豆ということです。

2001年4月より豆腐などが表示義務となるので、業界は非組み換えに切り替えています。

そのため、2001年以降はこの割合は下がると見られています。

※1999年度のダイズの自給率は4%になりました(2001/3/10)

大麦、小麦に遺伝子の組み換えは行われていますか

現在遺伝子組み換え小麦の開発が、米国で進められています。

商品化は2003年頃と言われています。

しかし、今度のスターリンク事件で消費者の拒否反応が強まっているので、商品化は遅れるのではないかともみられています。 (2001/3/10)

日本が2001年に表示義務化することで、アメリカは報復関税のような政策をとってくるのでしょうか?

報復関税をかけるには、まずWTOの紛争処理委員会(パネル)へ提訴し、表示制度が貿易障壁となったというクロ判定がでてからという手順が必要です。米国の考え一つで出来るというものではないのです。

また、日本の表示制度は、内容を決定するまでに水面下で十分米国側とネゴした上のものなっています。

具体的には、輸入量がもっとも多い飼料用、油脂用などを表示対象外としました。

この結果、表示対象となる量は輸入全体量のわずか10%にすぎず、貿易に支障はないので米国容認の表示制度となっているのです。

現時点で消費者は遺伝子組み換え食品にどう対応するべきでしょうか?

健康、環境に対して、取り返しのつかない潜在的危険性があること、生命特許をもとに多国籍企業が種子、農業、食糧を支配していく危険性などがあることから、消費者は、

「食べない、買わない、生産させない」

意志をはっきり表明し、反対する対応をとるべきだと私は思います。(2001/3/10)

なぜ安田さんは、遺伝子組み換えについて調べられたのですか?

安全性が十分に確認されないまま食品として応用化されることに、危機感をいだいたからです。健康被害や環境被害が出てからでは遅いですからね。

消費者に、危険性の情報を知らせないで食べさせようとすることは間違っています。

だから自分達で海外の情報・論文を調べて、情報を市民自身が手にするよう活動しています。

私は、物事、何が正しいのかを判断するには、最も弱い人々の立場から考えるとわかりやすいと思っています。(2001/3/10)

遺伝子が変異にさらされるというのは、より生存に適した形質を獲得するチャンスであるかもしれないのに、なぜそれを排除しようと考えるのですか?

自然の営みとして起こる遺伝子の変異について、それを排除しようというような考えは持っていません。反自然の人工的変異を行うことが危険であると言っているのです。

古い科学ではこれまで遺伝子を部品のようにみなし、全体は部分の総和であるという認識でしたが、複雑系科学(フラクタル)というものが現在注目されています。部分は相互に作用しあって異なるものになっていくというものです。

新しい分子生物学でも遺伝子の相互の働きについてこのように認識されるようになっています。

つまり、人間が無理に入れ込んだ遺伝子が、どのような相互作用を引き起こすかわからないということなのです。 (2001/6/21)

遺伝子組み換え食品を「うらせない」「作らせない」ためのどんな取り組みをしていますか

「食べたくない、売らないで」という声を、ひとりひとりがメーカーやお店に届けて、と講演でお話したり、学校給食から遺伝子組換え食品を除く呼びかけをしています。ほかには市販の食品の検査運動、企業アンケート、行政交渉、署名活動などです。 (2001/6/21)

普通のスーパーに遺伝子組み換え食品が含まれている商品は全体のどれくらいありますか

表示がないのでどれくらいかはわかりません。ちなみに組換え作物を原料とするもので表示されるものは全体の10%ほどしかありません。

でもコーン、ダイズなどはほとんど米国からの輸入ですから、これらを原料にしている食品の約半分は、遺伝子組換えが入っていると予測しています。 (2001/6/21)

もし食糧危機になった場合、安田さんは遺伝子組み換え食品のかわりにどうやって対処しますか

遺伝子組換え食品があれば食糧危機は回避できるという説明がされていますが、収量の多い作物、乾燥に強い作物などはまだ出来ていないですし、将来的にも気候・土壌の違う各地で大量生産できる見通しは立っていません。

それから、食糧不足は貧困の人々から始まりますが、組換え作物を作っている企業が、お金を払えない人々にタダで届けてくれるのでしょうか?

食糧危機を回避するには、穀物を大量に消費する畜産の見なおし、貧困の解消などがまず必要なのです。

飢餓の原因となる環境破壊、難民、地雷、戦争をなくし、国民の主要な食糧は優先して自給するように、どの国の政府にも責任と権利があることを世界が認めていくことが必要だと思います。 (2001/6/21)

安田さんはなぜ遺伝子組み換え食品に対して反対しているのですか

健康・環境への安全性が不確かなこと、また実際次々と問題が起きていること、それに加えて農業、社会、経済的にも問題性を孕んでいるからです。

多国籍生命科学企業が、自分らの利益のために人々の健康や環境にダメージを負わせることは許されないことです。また、種子を特許や技術で独占していこうとしていますが、それは将来食糧支配につながる危険性があるものです。

そのうえで安全性についてですが、ベクター、抗生物質耐性遺伝子(マーカー)、エンハンサーなどの影響について十分な検証が必要であると、分子生物学者らから警鐘が鳴らされています。

技術が応用化できる条件には少なくとも、1. 人が管理できる 2. 将来の予測ができる ことが必要です。現在の遺伝子組換え作物については1,2ともにできません。

消費者にとって必要性、有用性、安全性が確保できないものを、選択の権利をうばったまま食べさせていることが私が反対する理由です。 (2001/6/21)

遺伝子組み替え飼料、あるいは食品を摂取した場合にどの程度DNAが残留するかのデータはありますか

従来、食品およびエサに含まれるDNAは胃腸から吸収されないと信じられていましたが、最近の研究によればネズミにエサを与えた場合、M13細菌からのDNAが、排泄物・白血球・脾臓・肝臓などの細胞から、エサを与えてかなりの間隔をおいてから、比較的長い断片として検出されました。(Doerfler et al.,1997; Schubbert et al.,)

そのDNAを妊娠中のネズミに与えた場合、胎児及び新生児のさまざまな臓器に残留が認められました。(Doerfler and Schubbert 1998)

農水省や厚生省の説明では、「組換え飼料、食品を摂取しても家畜・人の体内で消化液によって完全に分解されるから安全」と決めつけてきたわけですが、本来は上記のような実験をたくさん積み重ねて確認してからの話であろうと思います。 (2001/6/21)

野菜にハエの遺伝子を組み込んで、腐りにくいものを作り出す、というのを聞いたことがありますが、そのようなこともありますか?

日本子孫基金の組換え食品ポスターで、ハエの遺伝子を入れた病気になりにくいトマトという絵を見た事があります。そういうトマトが開発されたかどうか(商業流通では存在していません)はわかりませんが、ハエ(ウジ)の抗菌性遺伝子をハタバコに入れることに成功したという研究はあります。 (2001/6/21)

食物に、植物ではない他の生物、虫などの遺伝子を組み込むこともあるんでしょうか?

ホタルの遺伝子を入れたトルコキキョウ、ヒラメの遺伝子を入れたイチゴやトマト、クモの遺伝子を入れたヤギ(?)、ヒトの遺伝子をいれたコメなどなんでもありの世界です。

こんなことするのは自然の法則を無視するもので、自然からのしっぺ返しが恐ろしいと思いますが、どう思われますか? (2001/6/21)

結局100%遺伝子組み換え食品を避ける事はできないのですね

いまなら、国産100%の原料で作ったものなら、遺伝子組み換え食品を避ける事はできます。

今後のためにも組換え作物の国内生産を許さないという消費者の声を強めることが必要です。食品メーカーに組換え原料を使わないでと電話したり、ファックスしたりするのが一番有効です。

商品に印刷されているお客様相談窓口とか広報(フリーダイヤル)がいいです。 (2001/6/21)

日本が将来的に私達の子孫の為に組換え技術を規制することはありえるのでしょうか?

それは一般市民である私達の態度にかかっています。あきらめて受け入れるようであればそうなるし、あくまでも買わない、食べないという意志を示せるなら、規制せざるを得なくなります。

社会を作っているのはひとりひとりの意志なのです。その意味ではいまの社会のありようは私達ひとりひとりの責任の結果といえるのです。がんばりましょう! (2001/6/21)

サイトによっては検査もされて安全だとあるのですが、本当はどちらなのでしょうか?

安全検査の内容が問題なのです。形ばかりの安全検査は当然しています。

しかし、長期摂取の影響、アレルギー性の臨床試験、十分な環境影響調査などはされていません。 (2001/6/21)

ガンになる可能性について詳しく教えてください

組み換え作物には殺虫毒素とか除草剤分解酵素を作る導入遺伝子に加えて、マーカー遺伝子として抗生物質耐性遺伝子も一緒に組み込まれています。

もちろんプロモーター、エンハンサー、ターミネーターの各種も必要です。要するにいくつもの、作物が本来持っていない新規の遺伝子をカセットとして入れこむわけです。

それらが作物染色体の中でどのような働きをするのか、正確にはわかっていない上、特に抗生物質耐性遺伝子が作り出す物質を摂取し続けた場合、身体にとって異物ですのでガンを引き起こす懸念があります。

いま欧州では抗生物質耐性が体内微生物に取りこまれることがわかり、公衆衛生上大きな懸念とされるようになりました。(2001/7/16)

遺伝子組換えの生花についてどう考えているか

花の場合、すでにサントリーがカーネーションなどで商品化しています。オーストラリアでの生産から国内生産に移っています。

野外栽培となると、環境影響は組み換え作物の場合と同じです。

人間がコントロールできない環境影響を引き起こすことから、 野外栽培は禁止すべきだと私は考えています。

ただ、運動的に今は花まで手がまわらないというのが実情です。しかし大規模に広がらないうちにきちんと企業・農水省へ止めるよう、要請が必要だと思います。 (2001/7/16)

具体的にどんな食品に気をつければいいですか

沢山の食品に及びます。 例えば、大豆製品である豆腐、みそ、油、ダイズ蛋白使用のもの(餃子、練り製品、ソーセージ、etc……)。

とうもろこし製品ならスナック菓子、缶詰コーン、コーンスターチ、異性化糖、コーンオイルetc……。

じゃがいも製品ならファストフード店等のポテト、マッシュポテト粉で作ったコロッケなどなど。

なたね製品は、菜種油、菜種油で揚げた食品(厚揚げ、菓子など)などです。 (2001/7/16)

家畜用飼料に組換え作物が使用されているとのことですが、鶏・豚・牛肉の、全てが危険?

ダイズ粕、トウモロコシ、ナタネ粕、綿実粕など遺伝子組み換え作物由来のものが家畜飼料として大量に消費されている日本の現実から、鶏・豚・牛肉と卵、牛乳を含めて何らかの影響があると思います。

いますぐ危険というほどではないにしろ、影響が出てからでは遅いので、エサにこだわった食品を要求する必要があるのです。

欧州ではエサに遺伝子組み換えを使うのをやめる動きが加速しています。例えば英国、フランス 、オーストリア、ドイツ、スカンジナビアの主要な食品産業とスーパーマーケットチェーンは、ブランド商品にGM飼料を禁止しています。イタリアは8月に4種のGMトウモロコシの販売中止を発表しました。 (2001/7/16)

遺伝子は食べ物にも入っているとのことですが、数としてはどのくらいなのでしょうか?

遺伝子とは形質を発現させるもとになる部分で、タンパク質の設計図となる塩基の配列を指します。

イネでは約3万遺伝子、ヒトでは10万遺伝子あると いわれています。 (2001/7/16)

バイオテクノロジーが引き起こす倫理問題は何だと思いますか

新しい技術が応用化される場合、必要な条件は「安全性」「必要性」「有用性」が社会的に受容、確認されることです。

バイオテクノロジーは安全性が確認できないし、これによって影響を受ける一般の人々が必要性、有用性を認めていません。社会的受容なしで応用化が一方的に進められるのは、反民主主義、反倫理となると思います。

健康、環境破壊に至った場合、これを修復、補償するという保証もできません。人々をモルモットにし、環境破壊という未来世代へつけを負わすことは倫理に反するということではないでしょうか。

また、生物特許という概念がバイオテクノロジーによって生み出され、それがこの技術の特許を押さえた多国籍バイオ企業による種子支配、農業,食糧支配を進めていることも倫理問題といえます。 (2001/7/16)

ヨーロッパでの家畜飼料へのGMOの混入状況や、EUとして、各国としてのGMO飼料に対するルールが知りたい

欧州では食品からGMOを排除することは成功していますが、飼料が今大きな問題となっています。(輸入されるダイズやトウモロコシの80%が飼料用)

消費者の飼料への懸念への対策として、先日英国の大手小売り業者テスコとアスダが今年の夏ごろから畜産品、乳製品は全部非組換え(NON-GMO)飼料に切り替えたものにすると発表。フランス、ベルギー、ドイツの大手小売り業者も追随するそうです。 (2001/7/16)

遺伝子組換え食品に該当するものの種類を教えてください

現在日本で流通が認められた組換え作物は大豆、ナタネ、トウモロコシ、ワタ、ジャガイモ、テンサイです。(トマトは取り下げられました)

食品としては大豆油、コーンオイル、ナタネ油、醤油、マーガリン、豆腐、冷凍ポテト(輸入の)、コーンスターチなどです。

豆腐、ポテトチップス、コーンスナックなどは4月から表示対象となったので、メーカーは非組換え原料に転換していると思います。

上記作物では、輸入のものに組換えの混入があるので、国産100%の原料ならこれらの作物でも大丈夫です。 (2001/7/16)

なぜ厚生省は最初に許可してしまったのでしょう

今まで厚生労働省は、普通の作物と比較して、形態、成分などが実質的に同じとみなせれば安全とする、規制の緩い安全性評価で許可してきました。

いわゆるこの「実質的同等性」の評価を作った米国では、当時『大統領競争力協議会』という部門がバイオ企業の圧力を反映して、健康・環境への影響を考慮するより開発企業の負担を少なくして応用化できるようにし、米国企業の競争力を強めよう、と戦略をたて、緩い安全性評価を導入したことが背景にあります。 (2001/7/16)

作物の遺伝子組み換えと倫理について考えを聞かせて

安全性が不確かであり、消費者が食べたくないと思っているのに、選択できないまま出まわっているという状況は、明らかに倫理に反する行為と私は思います。

途上国の飢餓を救うためと宣伝していますが、途上国の一般市民や農民からぜひ作らせてほしい、食べたいという声はまったく聞こえてきません。むしろ逆に、先進国の消費者が嫌がるものを自分達に、貧しさのイメージを利用して押し付けることに抗議すると言っています。 (2001/7/16)

安全性に問題がなければ組み換え食品は受けるべきでしょうか

少なくとも現時点で最新の科学技術や知見によって安全性の確認を行うことが求められます。

新たに生成した微量物質の有無、成分組成の変化などを100ppmくらいまでは調べるべきです。(コストがかかるといってやっていない)

動物実験での長期摂取の影響、人へのアレルギー臨床試験、交配後代についての安全性評価をすべきです。

現在は、親が安全評価をしたらそれとの交配品種については調べることなく利用されています。

しかし、誰が見ても安全といえるものが仮にできたとしても、消費者からみて有用性、必要性がなければ無用のものです。

新規の食品について受け入れるのは、それに安全性、有用性、必要性がある場合だけです。その場合でも食べたくないという人の選択のために表示は不可欠の要素です。 (2001/7/16)

アメリカ在住ですが、日本に比べて規制は厳しくなっているのでしょうか?

米国の場合は日本よりはるかに規制は緩いです。商業生産を大規模に認めているし、表示義務がありません。

業者が任意で不使用表示することも認められていないと聞きます。これは消費者の選択権を奪うものではないでしょうか。ただ米国では有機認証のものは組換え禁止ですから有機認証の食品を買うのが安心かと思います。

改善のためには、メーカーに組換え原料を使わないでという声を届けるのが一番効果があると思います。 (2001/7/16)

遺伝子組み換え食品の利点とはなんですか?

世の中にとって利点はないと、私の立場からはいってしまうのですが、バイオ企業にとっては、種子に特許料をかけることができる、除草剤の売上が上がる、種子の支配から食料の支配が可能となるなど企業利益が見込めるといったところでしょうか。 (2001/7/16)

遺伝子が壊れてしまった時はどうなりますか?

その遺伝子暗号が働かなくなる(必要な成分ができなくなったり、制御ができなくなったりする)でしょう。 (2001/7/16)

遺伝子組み替え食品を初めて作ったのは誰ですか?

植物としては、1986年にホタルの遺伝子を入れた光るタバコが開発されたのが一番早い事例だと思います。食品としては1994年に商品化された組換えトマトです。これは日保ちを長くしたトマトで、米国のカルジーン社が開発しました。 (2001/7/16)

日本と世界の安全基準の違いはどうですか

日本の基準はほぼ米国の安全基準と同じです。国際的にはこれまでの安全性評価では不充分だとする見解が主流となり、安全性評価の国際基準を2003年までに策定しようと作業が進められているところです。

組換え開発国の米国、カナダなどが規制強化に反対し、規制強化を求める欧州と対立する構図で進んでいます。最大輸入国の日本はというと米国寄りなのが情けないところです。 (2001/7/16)

輸入大国と化してしまった日本ですが、数十年後の農業はどうなるのでしょうか?

対策を取らずこのままいけば、香港やシンガポールのように日常の食料を全面的に輸入に頼る国になるでしょう。

コメもすでに1999年春に自由化をしていますし、関税が下げられていけばそう遠からず、普通に外米を食べる日が来るかもしれません。

国民の基本的食料生産をないがしろにした国で栄えた国はひとつもありません。また外国にいのちのもとである食料を依存していては、独立国家として民意を反映した国作りは困難になります。亡国の道です。 (2001/7/16)

遺伝子組換えについて小学生高学年に分かりやすい本はありますか

イラスト・リーフレットを紹介します。(2001/7/16)

『わたしたちはモルモット?遺伝子組換え食品』
遺伝子組換え食品いらない!キャンペーン制作
1冊350円 送料120円
申し込み:03-3711-7766(日本消費者連盟)

ファーストフード店のフライドポテトでしばしアレルギーによる蕁麻疹が発生します

ファーストフード店のフライドポテトはほぼ100%輸入だと思います。

米国やカナダ産の場合は組換えジャガイモの心配がありますし、ジャガイモの発芽を押さえる農薬(クロルプロファム)を散布するので、それらが高濃度残留していたりと、いろいろリスクがあります。国産のジャガイモを使ってほしいものです。 (2001/7/16)

日本はどんな対策をとれば、よいのでしょうか!?

私が思うには、

などの対策をとるべきだと思います。 (2001/7/16)

ハーバーライフのフォーミュラ1に『大豆タンパク質(遺伝子組み換え不分別)』とあるのはどういう意味なのでしょうか?

この表示の意味は、原料のダイズは遺伝子組換えダイズを排除した分別品ではありません、という意味です。要は遺伝子組換えダイズが混じっているということです。

健康食品がこういう原料を使用していることには疑問を感じます。健康を守りたいという人を客とするなら、その原料は安全性、質が高いものを 使用するのが当然の行為だと思うのですが、実際はそうでないことが、健康食品を名乗るものがうさんくさいものになっている原因でしょうね。 (2001/7/21)

製品になってから「日本で認めていない、遺伝子組換食品でした」と回収されているが、原料の時点で確認は取れないものか?

製品で検査するより、原料のジャガイモの段階で検査するほうがずっと検査がしやすいのです。

しかし、コストがかかるからでしょう、輸出業者が組換えでないものを選別したという証明書を添付している荷を購入することで、食品企業は「組換え不使用」と言ってきたのです。

やはり、原料の段階で検査データを要求し、さらに日本側でも再度検査をすることがデータの信頼性のために必要です。そんなことをしたらコストが高くなるからしたくないという姿勢だから、回収と信用失墜という最も高いコストを払うことになってしまうのではないでしょうか。

一番確かなことはジャガイモは国産を使用する事です。 (2001/7/21)

食品科学広報センターと日野明寛氏について教えてください

日野明寛氏は農水省本省で遺伝子組換え推進の立場で広報をしていた方です。

食品科学広報センターは公的機関なのですから、本来はマイナス情報まで含めた情報公開をして、市民が自ら判断するのに必要な、公正で客観的な情報提供をすべきだと思います。

しかし、実際は推進のための宣伝広報をするのが目的となっていて、問題だと思います。税金で運営されているのにです。 (2001/8/8)

やがて農薬メーカーが食料生産を動かすようになるのではないか?

本質をついた意見だと思います。組換え食品が市民のためではなく、バイテク企業(農薬/製薬メーカーから発展)の利益のために応用化されているという事こそ、組換え食品の問題性の本質部分だと思います。

推進側が安全性問題にのみに矮小化して専門的説明で市民を煙に巻くような説明会を繰り広げていますが、この意見は一番ついて欲しくない部分ではないでしょうか。 (2001/8/8)

現在食品用としての安全性審査が継続されている食品品目の詳細をを知りたい

このリストは、厚生省のウェブサイトの審議会に入り、バイオテクノロジー部会の報告書から知ることができます。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/yakuji.html#shok-bio (2001/8/8)

組換えDNA技術応用食品安全評価調査会で評価されたあと、厚生労働省が安全性評価済み食品または食品添加物と公表するまでの間のプロセスと時間はどうなっているのでしょうか?

調査会の答申が出て厚生大臣名による通達発表まで、数日くらいではないでしょうか。

規制緩和は即日、逆に規制強化の場合は企業の対応が終了する時期を配慮するので、1〜2年後となるのが役所のやり方です。組換えDNA技術応用食 品の認可答申と公表・実施の期間は短いと思います。

詳しくは厚生労働省健康局生活衛生課(代表電話:03-5253-1111)に直接電話して聞いてみてください。 (2001/8/8)

遺伝子組み換え食品と遺伝子組み換え食品ではない物との値段の違いはあるのですか?

遺伝子組み換えのダイズやトウモロコシなどは普通のダイズやトウモロコシと混ざって輸出されてきます。

これに対して、組み換え品種が混ざらないように分離して輸送してきたものが遺伝子組み換えではないもの=NON-GMOです。

こちらは特別に分離の手間をかけているので、遺伝子組み換え食品ではない表示ができるものは高い値段となっています。それを輸入する加工業者や消費者が負担するようになっているのですが、実におかしなことだと思います。

米国・カナダ等、遺伝子組み換え作物を勝手に植えて混ざるような事態を作り出した側の責任については知らん顔で、輸入側が普通の作物が欲しいというと、分離の手間がかかるから高いよと言っているのです。

つまりは、実質的に普通作物の値上げとなっているのです。

日本も欧州のように
「なら、買わないよ。遺伝子組換え品種を生産していない国に変えるから」とできないものでしょうか。ホントに。 (2001/8/8)

近いうちに全ての大豆製品が遺伝子組換え食品になってしまうのでしょうか?

それは日本の消費者の行動にかかっています。

ダイズ製品には豆腐関係など一部に表示がされるようになりましたが醤油などはまだ表示されていません。すべての組換え食品に表示をするよう、政府に求める運動と、スーパーや食品企業に組換えダイズを原料に使わないで、「遺伝子組換え不使用」の製品を表示して売ってと伝えることが大事です。

欧州はすべての組換え食品には表示をすることを決めました。日本でもできるはずです。

欧州、日本が組換えダイズは買わないということになれば、生産国の米国の生産者は売れない商品は作らなくなりますから、組換えダイズの生産量は減っていくでしょう。実際生産量は減っていってます。

消費者が選べるようにする表示制度が大事ということと、組換え食品は食べないという消費者の意志を企業に伝える行動が大事ということです。

企業に消費者の意志を伝えるのは、製品に記載されているお客様相談窓口や広報室の電話番号へかけるのが一番効果があります。たいていはフリーダイヤルかと思います。 (2001/8/14)

厚生省衛生調査会の安全評価指針とはどのような内容ですか?

厚生省のウェブサイトに、遺伝子組み換え食品の安全性評価を行っている食品衛生バイオテクノロジー部会の報告書があります。

この報告書にある審査項目が安全性評価の中身です。

問題点としては、長期摂取の影響をみる動物実験や、ヒトへのアレルギー性をみる臨床試験がされていない、人工腸液での分解試験で、消化分解されるとしても実際食べるヒトの場合、腸液濃度に差があることへの検証がないこと、微量成分の比較が不充分等に加え、過去にデータの改ざんもありました。結論として、この安全性評価で安全とされても、とても安心はできません。 (2001/9/18)

企業が厚生省に提出するために行う安全性の調査とは、どのような調査をしているのでしょうか?

自社の研究機関で、安全性審査に必要な項目のデータをそろえて提出するわけです。

モンサント社の除草剤耐性ダイズの安全性評価データでは、なんと除草剤散布をしていないダイズでデータを出すなど、信頼性が持てないというのが私の意見です。 (2001/9/18)

国産とうもろこしであっても、種子をアメリカから輸入しているから、遺伝子組み換えされている可能性はありますよね?

ええ、深刻な問題になりつつあります。畜産農家などが植える家畜飼料用トウモロコシ(デントコーン)の種子はいまやほとんどが米国産です。

そして普通種子のはずが遺伝子組換え品種が混じっていることが市民団体の検査でわかりました。(米国産9品目のうち、4品目に国内生産が許可されていない組み換え遺伝子が検出されました)

米国の種子会社の畑で花粉が交雑してしまったと考えられます。食用のスイートコーンは米国でもまだ遺伝子組み換えの生産は始まったばかりで、デントコーンほどの汚染はないようですが、いずれ汚染されるのではと心配です。

種子は遺伝子組換え品種を作っていない国産種子にすることが必要です。農家の自家採種を復活させようとの運動が、有機農家を中心に広がっているのが希望です。 (2001/10/2)

トマトやじゃがいもって どうなんでしょう?

トマトは遺伝子組み換え品種を販売しようと認可を取っていたキリン麦酒(株)が申請を取り下げました。国内消費者の反発に配慮したためです。いまのところ、組み換えトマトは流通はしていません。

じゃがいもは種いもで増やすわけですが、ジャガイモは生の形では輸入できないので、遺伝子組み換えジャガイモが種いもとして入ってくることは今のところ無いです。冷凍やマッシュやチップスという加工された形でしか輸入されていないのです。国産じゃがいもは国内の種いもで生産されています。 (2001/10/2)

食品によっては放射線をあてられているものもあるとか……?

種への放射線照射ということであれば、突然変異を引き起こさせ新しい性質を作り出すために行われています。

食品そのものへの放射線照射は米国を中心に、応用化され始めています。

畜産品の微生物汚染対策、かんきつ類のカビ対策、たまねぎなどの発芽止めのために放射線照射が行われるのです。遠距離輸送のためにこんなことが行われるのです。

安ければいいと遠い国から輸入するつけが、質の悪い、安全性に問題のあるものを食べさせられる結果になっていると思います。 (2001/10/2)

分離証明書はどこの管轄であり、誰の責任で行っているものなのか

管轄は、穀物の場合、農水省総合食品局品質課が遺伝子組み換えの表示をやっていますので、ここに聞けばわかるのではないかと思います。
農水省: 電話03-3502-8111(代)

分離証明書は輸出業者・船会社などが出すものですので、日本では三井、三菱などの商社の、ダイズやトウモロコシの輸入を扱っているセクション に電話をして、聞いてみてください。 (2001/10/5)

牛成長ホルモンが投与された雌牛は、牛乳や牛肉にインシュリン様成長因子が増加するため、女性と子供に乳ガンが発生する危険性が高いということですが、それは本当なのでしょうか

それは、米国イリノイ大学のサミュエル・エプスタイン教授による指摘です。

教授は、もうひとつのノーベル賞といわれるライト・ライブリフッド賞を受賞している、中立の(企業寄りの御用学者たちとは一線を画す)信頼できる学者だと思います。 (2001/10/5)

輸入されているチーズの中にバイオキモシン使用のチーズが輸入されているということは、あり得ますか?

バイオキモシンの製造メーカーはみな、日本での流通許可を取っています。つまり、輸入チーズでの使用の可能性はあります。

国産乳業メーカーのチーズに使われているかどうかは、各企業のお客様相談窓口もしくは広報室(チーズ製品に表示されています)に使用の有無を聞くのが一番です。

ちなみに数年前、私が聞いたときは使っていないといっていましたが、現在はわかりません。 (2001/10/5)

遺伝子組み替え食品として、実際に日本では具体的にどのような商品があるのでしょうか?

ダイズ製品やコーン製品、ポテト製品、ナタネ油などが主に出まわっています。

などです。 (2001/10/9)

私達消費者は同じ醤油であってもどれが遺伝子組み替え大豆を使ってるのか使ってないのかわかりません

なにも書いてない醤油はほとんどが米国産の組み換えダイズの混じった大豆を使用しています。

国産丸大豆100%使用というのは組み換えダイズは入っていません。これを買うのが良いでしょう。 (2001/10/9)

人間は虫とは消化器官が異なるので、Btコーンによって害を受けることはないというのは本当ですか?

開発者側は、Bt毒素の影響が及ぶのは、毒素蛋白の受容体をもっている特定の害虫だけと説明しています。

ところが、受容体を持たないチョウの幼虫は死んでしまいました。また、アブラムシを食べたテントウムシやクサカゲロウの幼虫もやられました。

毒素蛋白は、人間のおなかの中では胃液、腸液によって消化分解されてアミノ酸になってしまうので影響はないと説明されています。でもそれは人工胃液、腸液での実験の結果でしかありません。

実際の生身の人間では、タンパク質は100%消化されるとは限らず、健康な人でも入ってきたタンパク質の15%くらいはそのまま吸収されるそうです。だからこそアレルギーが起こるのだと、アレルギーの専門医が指摘しています。 (2001/10/9)

清涼飲料水に含まれる異性化液糖(とうもろこしから作られる)に遺伝子組替えは含まれているのでしょうか?

原料のトウモロコシはほぼ米国産(96%)です。米国産トウモロコシのうち、遺伝子組み換えの生産割合は25%(2000年)なので、食品流通に占める割合は、約24%といえます。

つまり、約4分の1は遺伝子組み換えトウモロコシが入っているわけです。

お子さんには清涼飲料水を与えるより、水やお茶を与えるほうが健康にいいと思います。 (2001/10/16)

食品の原料であるでん粉、チョコ菓子等の原料であるレシチンや植物油等に遺伝子組替えは使われていますか?

使われています。トウモロコシ粉、ダイズ粉、ジャガイモでん粉などは加 工食品に使用されています。

レシチンはダイズから取りますから組換えダイズ由来原料が混入しています。

植物油は、ダイズ油、コーン油、ナタネ油、綿実油は遺伝子組換え作物が原料として使われる割合が高いです。

日本植物油協会が表示に強行に反対してきたのは消費者無視の横暴です。油の原料はほとんど100%輸入油糧作物であり、主に米国産であるため、遺伝子組換え品種の混入が高いので、表示したら売れないと思っているの です。

望まないものを知らせずに食べさせることは企業倫理に反すると思います。表示して消費者の求める商品に切り替えていくのが企業の社会的責任だと思うのですが。 (2001/10/16)

トマトの缶詰やインゲン豆やアメリカのマスタードの原料の酢については?

英国の会社が組換えトマトの加工品での特許を取得して、トマトソースなどを販売していましたが、不人気でいまでは市場で見ることは無いそうです。

米国でも組換えトマトは失敗品として市場から姿を消して久しいです。

インゲン豆はまだ遺伝子組換え品種は商品化されていません。

酢は米酢はコメから、ワインビネガーはブドウから、その他果物からなどいろいろありますが、遺伝子組換え作物はまだ原料として使用されていないと思います。 (2001/10/16)

アメリカ、カナダ、オーストラリア、チリ、アルゼンチン、ニュージーランドの6カ国だけなぜ推進しているのですか?

これらの国がみな、農産物輸出国だからです。

除草剤耐性とか、殺虫毒素生成の組み換え作物の生産で省力化、コストダウンし、輸出利益を上げたいからです。

多国籍アグロバイオ企業がこれらの国の生産者にこの技術を宣伝し、採用させるために力をそそいできたのです。 (2001/12/13)

スーパーなどでは組み換え食品表示マークを全体の10%しか表示していないと聞きましたがあとはなんで表示しないのですか?

残り90%は餌や油、醤油などですが、これらに表示をさせないことで輸出側から貿易障壁と批判されないようにしたのです。

表示制度導入過程では、米国の農務長官が頻繁に日本にきて、農水省と 水面下で交渉がなされていました。米国にとって輸出が規制されない程度の表示制度を日本に飲ませたわけです。なさけない話です。 (2001/12/13)

表示をしなければならない食品は?

表示の義務化がされたのは、大豆とトウモロコシの製品24品種のみです。遺伝子組み換え原料を含む場合はそのことを表示しなければならないというものです。

この他、じゃがいも、なたね、ワタ、てんさいが流通を認められていますが、表示なしです。 (2001/12/13)

表示を定めている法律は?

表示の法律としては農水省のJAS法、厚生労働省の「食品衛生法」です。 (2001/12/22)

任意表示についてとその問題点は?

任意表示とは、「遺伝子組み換え原料不使用」の場合、つまり分離して持ってきたという証明書がある場合、任意で大豆やトウモロコシ製品24品目について「遺伝子組み換え原料不使用」の表示ができるというものです。

ちなみに分離証明書については、実際は5%くらいのGMO混入は認められています。 (2001/12/22)

遺伝子組換え食品の表示が義務化されることにより消費者や企業、行政に与える影響、問題点はありますか

まず、トウモロコシと大豆の加工品24品目だけが対象という不充分さです。本来遺伝子組み換え作物が原料に混じっているもの(使用が不明なものも)はすべて表示が必要だと思います。

表示義務化されないまま、流通していることについての問題性は以下のとおりです。

1 消費者にとっては知る権利、選択の権利がうばわれる
2 政府としては事故が起こったときの原因究明が困難。そのため被害を拡大させてしまう
3 企業にとっては製品原料に責任を持てない。企業の信頼失墜のリスクがある

表示による分別流通は、食品原料の安全性確保の要求の高まりで、ますます求められるようになっています。多少のコストアップをいやがって対応を遅らせると、やがて企業の競争力にも響くことになると思います。 (2001/12/22)

遺伝子組換え生物の青いバラって何ですか?

世界中の育種家たちが開発をめざしたけれど、交配では青系の色のバラを作り出す事はできませんでした。つまり、もし作り出せたら大変な儲けができるものです。

それを遺伝子組み換え技術で作り出そうと、1991年サントリーとフロリジーン社(オーストラリア)がペチュニアの青色色素の遺伝子を導入して、青いバラを咲かせることができました。

その後、キリンビールと協和発酵もナスやペチュニアの遺伝子を使って青いバラを作りました。

しかし、色を安定させることが困難であったため、現在は頓挫しています。

現在、組み換えによる藤色のカーネーションが発売されています。しかも国内栽培されています。将来環境生態系へ影響が出ることが懸念されます。 (2001/12/25)

『キモシン』は、牛の四つある胃のうちの四番目の胃で、しかも生後数週間の間だけ作られると言うことですが、なぜなのでしょう?

キモシンは、子牛が出産後離乳する前まで、つまり母牛のミルクを飲む時期にだけ、これを消化吸収しやすくするために必要な酵素なのです。

それはミルクの蛋白を豆腐のように固めて、吸収しやすくする必要があるからで、したがってその時期をすぎれば分泌されなくなるのです。

次に、牛の胃が4つに分かれているのはそれぞれ役目が違うからです。

4番目でキモシンができるのは、吸収するための腸へ送る手前で凝乳が必要だからだと思います。 (2001/12/25)

近い将来「バナナ味のりんご」が作れるようになると聞きましたが、こういった食品を食べた場合、バナナの成分をアレルゲンとしている人はやはりアレルギー反応を起こしてしまうのでしょうか?

りんごにバナナの遺伝子を導入した場合、そういう恐れはあるでしょう。

すでに、大豆にブラジルナッツの遺伝子をいれたところ、この大豆によってブラジルナッツにアレルギーを持つ人がアレルギーを引き起こした有名な事例があります。 (2002/1/9)

妊婦がもし口にしてしまった場合胎児に何か影響はありますか?

胎児への影響はまったく調べられていないといえるでしょう。私が知っている唯一の論文は1998年にドイツの研究者がおこなった、妊娠したマウスに餌とともにDNAを与えたところ、このDNAが胎児の臓器に移行していたというものです。

組み換え食品に含まれる新規の淡白質がアレルギーを引き起こす可能性もあり、もっとも弱い、感受性の高い胎児への影響こそ、一番配慮されなければならないと思うのですがそうした体制になっていないのは残念なことです。

私達ができることはできるだけ口にしないようにして防衛することです。だから表示の徹底が必要なのです。 (2002/1/8)

大豆の自給率は4%と言うことですが、トウモロコシは0%ですか?

トウモロコシの自給率は統計上ゼロです。テンサイは23%(砂糖換算2000年)、ナタネは0.1%、ワタはゼロ、ジャガイモは国内生産が約300万トンですが、生のジャガイモの輸入は検疫法で禁止されていて、ジャガイモ加工品という形で輸入されているのが30万トン弱です。です からじゃがいも全体では自給率は90%といえます。 (2002/3/29)

大豆はほとんど輸入に頼っていると聞きますが、納豆に使われる大豆は、遺伝子組換食品なのですか

大豆の自給率は4%しかありません。96%が輸入大豆です。そのうちの80%が米国大豆です。米国大豆の54%(2000年)が遺伝子組み換え大豆です。

つまり米国産輸入大豆の半分が遺伝子組み換えということになりますが、実際は混じった形になっています。8割方はサラダ油、てんぷら油の原料として大豆油をとり、残りの脱脂大豆は飼料や醤油原料に回ります。食用に直接回るのは2割です。これが植物蛋白として加工品原料や豆腐や納豆などになります。

豆腐や納豆などについては、輸入の、混入のある原料を使う場合は「遺伝子組み換え不分別」の表示義務があるので、使用実態は表示で判断できます。

輸入大豆を原料にしている豆腐や納豆の場合、ほとんどは「遺伝子組み換え大豆不使用」表示になっています。組み換えが混じっていないものを分別して輸入したという意味ですが、実は5%ほどの混入は許容範囲として認められているので本当の意味で「不使用」ではないのです。

選ぶなら「国産大豆100%使用」表示が一番確かです。 (2002/3/29)

遺伝子組み替え推進の目的は何なのか教えていただけませんか?

食料危機、飢餓を救うためという宣伝がされていますが、それは真実ではありません。

実際の開発企業の目的は組み換え種子や種子とセットで販売する除草剤などの売上による利益です。だから遺伝子組み換え種子には特許がかけられ、農家の自家採種は禁止されています。

さらに海外で種子販売するとき、自家採種禁止の約束が守られる保証はないので、農家が自家採種した第2世代の種は撒いても自殺するようにできるターミネーター技術まで開発し、特許申請しました。

米国は昨年この特許を認めました。種子は農家が自家採種が当たり前でしたが、いまでは毎年買わなければならないハイブリッド品種(F1)化していますし、さらに特許をかけられる遺伝子組み換え品種となっていくことで企業の種子支配ひいては食料支配がいっそう強まります。

究極の消費財である食料(そのもとが種子)がひとにぎりの多国籍企業に支配されていけば、かえって飢餓を生んだり環境破壊を招くのではないでしょうか。 (2002/3/29)

実際、スーパーで食品を選ぶ時には、どんな表示を基準に判断していけばよいのですか?

大豆、トウモロコシ、ナタネなど輸入量の多い組み換え作物が原料の食品については表示を良く見て
1 国産原料100%のものを選ぶ(例:豆腐とか納豆、味噌、醤油な どは国産大豆100%使用のもの)
2  ナタネ油は組み換えナタネが50%を超えているカナダ産ナタネが原料ですから油は国産ナタネ油(残念ながら高い)か、遺伝子組み換えがまだされていない油糧作物(例えば紅花、ひまわり、ごま、こめぬか、オ リーブなど)の油を選ぶことです
3 トウモロコシを餌とする肉やミルク、卵については地域で採れる餌にこだわった産直ものか、次善の策としては「非遺伝子組み換えトウモロコシ」「遺伝子組み換えでない」餌使用とことわったものが望ましいです。

でもその表示が信頼できるかどうかは、業者やスーパー、生協への信頼で 判断するしかないですね。一番確かなのは産直です。 (2002/3/29)

表示をするのはなぜなのか?

表示は消費者の知る権利と選択の権利を保証するために必要なのです。政府が安全審査をしたからといって、リスクがゼロというわけではないのです。

例えば合成着色料は厚生省によって使用が認可されているものがたくさんあります。北欧ではアレルギー性があるとして禁止しているものでも日本で使用が認められているのは、リスクは発ガン性だけを考慮し、アレルギー性はみていないからです。

口にしたくない人にとって表示がなければ、選択権や知る権利が侵害されたことになります。

遺伝子組み換え食品についても現在の安全性評価では長期摂取の影響などは調べられていません。安全性評価が不充分なだけでなく、新奇の食べ物は食べたくないという選択権は保証されなければなりません。

また、アレルギーなど被害が出たとき、何を食べたからかは、食品原料の素性がわからなければ対応ができません。被害を広げないですばやく対応 するためにも表示は不可欠なのです。

表示をしたら売れないから、表示はしたくないというのが企業の本音ですが、正体を明らかにしたら売れないものは消費者が望まない商品なのですから、市場から撤退するのが正しい資本主義のあり方です。

それを表示しないで、知らずに食べさせてしまうようにするということは公正ではないと思いませんか。 (2002/8/10)

「表示をする=安全」ではないのですか

安全性評価は流通させるにあたって、政府がお墨付きを与えるためのものです。

2001年4月から安全性評価を受けることが義務化されましたが、それまではガイドラインでしかなかったため評価を受けないものが出まわっていても罰則を課すことも回収させることもできませんでした。

義務化後は安全性評価を受けない未承認のものが流通することは違法となりました。 (2002/8/10)

Bt菌は哺乳類には安全なのでしょうか

BT菌が作る毒素がBT毒素です。殺虫性組み換え作物は、BT菌の毒素をつくる遺伝子を取り出して導入しています。この作物中のBT毒素が特定の昆虫が持つ受容体に反応して腸管を破壊するわけです。哺乳類にはこの受容体がないから安全というのが開発企業の言い分です。

しかし、BT毒素(毒素はタンパク質です)は新奇のタンパク質ですから、これを哺乳類が体内に取り込んだとき受容体がなくても異物としてアレルギー反応を起こすことも有り得ます。

動物実験を積み重ねないまま安全といっているのは信用できないというのが消費者の気持ちです。 (2002/9/6)

「ラウンドアップ」はどのようにして雑草を枯らすのでしょうか?

米国のモンサント社が開発して販売している除草剤 商品名「ラウンドアップ」は有効成分がグリホサートで、その他に界面活性剤などを含みます。

植物の中に浸透して植物がもつ、アミノ酸を合成する経路の酵素の働きを阻害し、そのため植物はアミノ酸を作れず、その結果タンパク質ができないので枯れてしまいます。

植物全体に浸透して根こそぎ枯らすというのがうたい文句です。15%ほど界面活性剤が含まれていて、この毒性も指摘されています。 (2002/8/10)

枝豆とモヤシに「遺伝子組替えではありません」と表示されていたのですが

枝豆は、そもそも日本に組換えのものがありません。米国からも枝豆は輸入していません。モヤシも米国産(組み換えが混じる)大豆を原料にするようなものはないです。

枝豆やモヤシなど米国産(遺伝子組み換え大豆が混じる)大豆を使うことが現実的にはないものを農水省が表示対象24品目のなかに入れたのでおかしなことになっています。

表示対象にすべき、組み換え大豆がたくさん使われている大豆油や醤油を表示対象から外しておきながら、さも表示対象品目が沢山あるようにみせかけるためにこんな無意味な品目を対象に入れこんだようです。姑息なことと思います。 (2002/8/10)

なぜスターリンクにはアレルギー性が懸念されるのですか

スターリンクは殺虫毒素を生成する遺伝子が導入された品種です。その殺虫毒素(蛋白質)の分子がおおきいため、消化されにくくアレルギーを引き起こす可能性があり、食用が認められなかったのです。

飼料用にだけ認めたといっても流通過程で食品原料にも流れ、米国でも日本でも食品に検出されたわけです。 (2002/8/10)

組み換えイネが日本ではなく海外で栽培され日本に輸入される可能性もありますか

米国で除草剤耐性のコシヒカリ、カリフォルニア米、ルイジアナ米などが試験栽培され日本政府は輸入を認めています(2000年3月)。種子用として、また輸出米としてさらには加工原料として輸入されるかもしれません。

国内での商業流通が始まれば輸入品も入ってくると思います。 (2002/8/10)

トリプトファン事件で日本にも被害者が出たのですか?

日本でも被害者が出たのは事実です。私が知っている文献では1992年8月現在の数字で8人です。その後増えたかどうかについては把握していません。

文献は
社会薬学 VOL.12 No.1 December.1993
総説「昭和電工トリプトファン食品公害事件」
戸田 清氏 論文当時都留文科大学 現在長崎大学教授
(2002/8/10)

各メーカーは、お菓子への遺伝子組み換えコーン使用を認めたのでしょうか

記者発表を行い、検査結果を企業名、商品名あげて公表しましたが、これを否定してきた企業は1社もありませんでした。当時の安全審査はガイドラインであったため、未認可のものが見つかっても違法ではなかったのです(現在は規制法となり、安全審査を受けて認可されたもの以外は流通できません)。

しかし、消費者からの視線は厳しいものとなるため、各社が非組み換え原料の調達に取り組むきっかけとなりました。 (2006/10/24)

「とんがりコーン」などの商品は未だに発売されていますが、批判などはないのでしょうか

ハウス食品は当時、私どもの検査公表が分離原料を調達するためのよいきっかけだったと言っていたのですが、日本政府が次々認可を増やし、合法となるや、分離原料はコスト高と考え、GM混入原料を使っているようですね。子供が食べる菓子のメーカーとしてその姿勢は消費者の信頼を失わせるものです。

一方、先だってグリーンピースジャパンが発表した「トウルーフードガイド」ではブルボンが良心的企業として表彰されました。その会場でブルボンの方と話をしましたが、GMを使わない製品を精一杯努力していることが伝わってきました。 (2006/10/24)

食品添加物公定書に収載されているものは、その原材料に遺伝子組み換えやアレルギー表示が免除されるというのは事実ですか?

食品添加物は、遺伝子組み換え由来についての表示は免除されています。遺伝子組み換え微生物による食品添加物がいくつも認可されているのですから、本来は表示が必要といえるでしょう。

一方、アレルギー物質は食品添加物にも表示義務があります。(表示例:乳化剤(大豆由来))

微量でもアナフィラキシーショックを起こすからですが、7品目のアレルギー物質だけではなく、表示を勧めている18物質すべてを表示義務にすべきでしょう。 (2009/07/17)

[INDEX][遺伝子組み換え食品目次]>[遺伝子組み換え食品FAQ]

©2000 Setsuko Yasuda All rights reserved.