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GMとの「共存」を言い出した農水省


GMO意見交換会で見せた農水省の変化

農水省の技術会議事務局技術安全課(斉藤課長)が遺伝子組み換え作物についての意見交換を各団体と個別に行なっています。日有研と有機農業学会に声がかかり、1月17日農水省に出向いて意見交換に参加しました。

先方は相変わらずのGM有用論ですが、新しいことは「GMとの共存」をいいだしたことです。EUの共存論を好機として、日本でいけるかどうか個別に感触をさぐっているのかもしれません。

「作りたい生産者を排除するのではなく」、「十分な汚染防止のルールを作れば」と。しかし、「共存」はあり得ない。GMが一方的に汚染を広げるだけです。商業栽培を認めたら日本農業がだめになる、絶対許されないことと強く主張したら、「共存について、そんな反応は初めてです」と斉藤課長。

人間の作った緩衝地帯(分離帯)など予測外の自然災害が起こればあっという間に乗り越えてしまうでしょう。生産地だけではなく、流通、製造過程でも混入はおき、表示違反もあります。「共存」は絶対あり得ないとあちらこちらから声をあげていかなければと痛感しました。

未承認品種の流通を許したまま

もう一点は、大量に輸入される家畜飼料や植物油用の穀物に未承認のGM品種が入っていないかの検査はどうなっているのかという当方の質問に対し、
「今年度予算をとったところ。今後未承認品種の情報を取っていく」という。「ただ開発中の情報を先方がどこまでだすかは……」とも。

現在もノーチェックで輸入が続いている……。米国に対し、未承認の混入は認めない、混入があれば積戻しか廃棄処分となぜ言えぬ? 未承認の流通を許しておいて、GM承認品種もへちまもないではないか。安全規制は底抜けという日本の農水省行政(嗚呼)。

(2005/1/19)

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