組み換えポテト食品にようやく表示だが
組換えジャガイモを含む食品の表示はじまる
遺伝子組換えジャガイモを含む食品の表示が2003年1月1日より実施されました。
遺伝子組換えジャガイモは現在日本モンサント社が申請した5品目が厚生労働省によって認可されています。殺虫毒素生成の「ニューリーフ」2種、殺虫毒素生成とウイルス抵抗性の「ニューリーフ・プラス」3種のあわせて5品目です。
組み換えニューリーフ・ジャガイモは、1995年にモンサント社が米国市場に出したのですが、消費者の反対運動、ファーストフード・レストランによる遺伝子組換えジャガイモ使用禁止が相次ぎ、同社は2000年にこの品種の販売停止を決定しています。
日本での経緯
日本では2001年4月より安全性審査が義務化され、未承認の組換え品種は違法となったため、菓子メーカーはポテトチップスなど自社製品の自主検査を行いました。
その結果未承認の組換えジャガイモが次々と見つかり、ハウス食品、カルビー、ブルボン、森永製菓、P&Gが軒並み製品回収する騒ぎになりました。
これに対し7月末に厚労省は薬事・食品衛生審議会で混入のあった「ニューリーフ・プラス」を急ぎ認可し、9月より流通を認めたのです。本来なら米国に未承認のものを輸出しないよう厳重抗議をし、混入のない体制を企業に求めるのが先ではないでしょうか。政府がやったのはただ追認する措置だけでした。
しかも検出された組換えジャガイモは「ニューリーフ・プラス」だけではなく、「ニューリーフ・Y」もありました。こちらは安全性審査申請すら出ていないもの。今後菓子メーカーはこの混入がないようどのような手立てを採るのでしょう。
政府、なんと表示無し流通を認める
また問題なのは、政府は表示なしの流通を認めたことです。流通を認めるなら表示をして消費者の選択の権利を保証するべきなのに、表示化は、なぜか1年半も後の2003年1月からとしました。この間の空白はなんのためなのでしょうか。
表示されれば消費者は買わないとみて、組換えジャガイモ混入の在庫を処理するために業界や米国のために無表示期間を作ってやったとしか思えません。
殺虫毒素の入っているポテトチップスやフレンチフライポテトを、子どもや若者たちが、表示がないから知らずに食べていたのですよ。皆の衆、怒らんのですか!
(2003/2/11)