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愛知県が遺伝子組換えイネの商品化を断念


市民運動の成果実る

愛知県は5日、県の農業総合試験所がモンサント社と共同開発してきた、遺伝子組換えイネ(除草剤「ラウンドアップ」耐性イネ)の商品化を断念すると発表しました(12月6日毎日新聞)。

野外栽培試験はほぼ完了し、商品化目前でしたが、組換えイネの安全性に懸念を持つ市民の研究中止を求める声が高まっていました。愛知県の市民グループや有機生産者団体、各地の生協組合員、遺伝子組換え食品いらない!キャンペーンなどのメンバーが7月と11月に名古屋で「遺伝子組換えイネ反対集会」を成功させ、短期間に開発中止を求める署名約58万人分を提出するなど、組換えイネの商品化に強い拒否を示した成果といえます。

(このホームページでも署名呼びかけをさせていただきましたが、ご協力いただいた皆様に良いご報告ができ、うれしいです。)

12月5日の愛知県議会で、中村友美議員の質問に対し、愛知県農林水産部長は

「6年間の研究の結果、除草剤抵抗性遺伝子を導入した有望な系統を作出出来る見通しがたったので、平成15年(2003年)3月末日をもってモンサント社との共同研究を終了する。作出した遺伝子組換えイネについては、消費者に不安感もあり、商品化に必要な厚生労働省への安全性審査の申請は行わない」

と答弁し、商品化断念が明らかになりました。まずは市民の勝利です!

まだ目を離せないGMイネ商品化を狙う動き

ひとまず差し迫っていた組換えイネの商品化は遠のいたといえます。しかし、国内環境影響評価を終了した組換えイネは他に16系統もあり、例えばモンサント社は茨城の自社圃場で、除草剤耐性イネ6系統が環境影響評価を終了しています。

愛知県の決定を受けて慎重にはなるでしょうが、イネゲノムが次々と解析されており、組換えイネへの執着は今後さらに高まることが予想されます。

ひとつひとつを注視し、商品化は決してさせないよう、粘り強く向き合っていかねばなりません。

(2002/12/7)

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