クローンには、ほぼ確実に異常が発生する
ホットワイアードニュース2002.9.11より
http://www.hotwired.co.jp/news/news/20020911304.html
このほど、1万個の遺伝子を調査するという過去最大規模の研究の結果、クローニングのプロセスがほぼ確実に異常な生物を作り出すことが判明したという。
『ホワイトヘッド生物医学研究所』のルドルフ・イェーニッシュ博士らが米国科学アカデミーの会報で報告した。これまでにクローン羊『ドリー』に関節炎、さまざまなクローン動物の死産の多発、急激な老化などクローニングの問題が指摘されていた。
イェーニッシュ博士らの大規模な研究で、クローニングで作られたマウスの胎盤の遺伝子には、25個に1個の割合で異常があることがわかり、肝臓にも、それほど深刻ではないが遺伝子の問題があったという。博士は、「最近の研究では、成体クローン・マウスの早死や肺炎、肝不全、肥満が報告されているが、それはこうした遺伝子発現の異常性の結果かもしれない」と述べている。
安田節子によるコメント
新たな生命の誕生には、原則的には生殖が必要であり、それはオスとメスという別々の個体の双方の遺伝子が伝えられ、遺伝子構成としてまったく新たな生物が生まれるようになっています。
それが個のかけがえのなさであり、同時に多様性によって環境適応できるものが種を引き継いでいくというのが自然の法則なのです。
人間のご都合や欲望でこのルールを破り、同じ遺伝子だけで新たな個体を作ろうとするクローニング技術。クローン人間を作ることはもってのほかですが、クローン家畜を作ることも許されるべきではないでしょう。
日本の農水省は食肉流通を視野に8月に体細胞クローン牛の肉や乳をマウスに食べさせる実証試験で問題はなかったと発表しています。体細胞クローン牛がフランケンシュタイン牛になる可能性が示唆されているというのに。
(2002/9/28)