米国のトウモロコシ、3分の1が遺伝子組み換え作物
YOMIURI ON-LINE 3月29日(ワシントン28日発)より
今年(2002年)3月末、米農務省が行った農家を対象とした種子の購入調査で、米国内で今春作付けされるトウモロコシの約3分の1、大豆の約4分の3が、遺伝子を組み換えた作物であることがわかった。
トウモロコシの作付面積の32%(2001年度は26%)が遺伝子組み換え種でその大部分は殺虫成分を含むものと見られる。大豆は74%(昨年68%)、綿花は71%(同69%)。
安田節子によるコメント
米国の大豆、綿花はいまや7割が遺伝子組み換え品種となり、生産者協会が慎重な対応を取っているトウモロコシでさえも6%伸びて、3割を占めることになりました。
この数字を見ると、米国農業の未来が決して明るいものではなく、逆に衰亡の予兆を感じて暗い気持ちになります。
世界のパン籠といわれる肥沃な、豊かでおおらかな米国農業は、遺伝子組み換え作物によって大きくつまずくことになるでしょう。
現在、アメリカミツバチの腐蛆病に抗生物質が効かない状況が広がっている事の原因として、米国の組み換え作物生産面積の0.4%を占めるにすぎない組み換えナタネの抗生物質耐性遺伝子の影響が疑われています。
現在、地球環境の危機意識が高まるなかで、化学農薬や化学肥料、遺伝子組み換えなど反自然的な農業から自然共生的な有機生産へ向かうことが潮流となっています。
環境汚染的農業は永続できません。
今まで、規制をしようとする国々に力でもって組み換え作物の輸入を迫り、強引にこじ開けて(GM作物を)流しこんできた米国ですが、国内生産量が増える状況では、いっそう圧力を強めることが当分続くでしょう。
しかし、人々が望まないものはいつか必ず捨て去られる運命をたどります。
日本はトウモロコシ、大豆などの穀物を米国に大きく依存しているし、さらにこのままいけばコメの輸入が拡大する日も遠くはありません。
しかたがないとなりゆきまかせではいけません。日本はいま、あるべきビジョンに向けて舵を取りなおす時だと思います。
組換えイネいらない署名活動(6月末に第1次集計)
(2002/5/19)