メキシコの野生トウモロコシが組み換え遺伝子で汚染
野生トウモロコシがGMに汚染
米カリフォルニア大学バークリー校の研究者Ignacio Chapelaらは、メキシコ南部の野生トウモロコシが、遺伝子組み換え(GM)トウモロコシに含まれる遺伝子で汚染されていることを、英科学誌ネイチャー11月28日号に発表しました。
メキシコの山間部で採取した野生トウモロコシ6サンプルのうち4サンプルから、GM作物で広く使われる遺伝子が見つかったのです。
うち2サンプルには、別の遺伝子断片も含まれていました。また、1サンプルには、アワノメイガへの殺虫毒生産を植物に促す遺伝子が含まれていました。
なぜGM遺伝子は混入したのか?
メキシコは、GMトウモロコシの作付けを1998年から凍結しており、以前の作付け場所も、今回野生種を採取した場所から少なくとも約100km(60マイル)離れていました。
遺伝子がなぜ混入したかはまだ分かっていないのですが、研究者らは
「食用として輸入されたGMトウモロコシが野生種の近くで栽培され、風で飛んだ花粉を通じて交雑したのではないか。」といっています。
野生種のGM汚染は、種の多様性の危機です。とくにトウモロコシ品種は単数化しており、いまや野生種は、数少ない貴重な遺伝子資源です。
組換えコメ生産を目指す日本と食料安全保障
GM開発企業が地球の種の多様性を害し、将来の食料危機を生む災禍の種をまきつづけています。今回の研究が暗示する内容は重大です。
日本での、組み換えコメ生産についても、予防原則を働かせなければ取り返しがつかない結果となってしまいます。GM生産は食料の安全保障を脅かすものであり、生産は止めるべきです。
(2001/12/2)