スナック菓子「オー・ザック」から未審査の組換え原料検出
厚生労働省からの発表
2001年5月24日厚生労働省は、国立医薬品食品衛生研究所の検査により、ハウス食品のスナック菓子「オー・ザック」から、安全性が未審査の遺伝子組換えジャガイモを検出したと発表しました。
ハウス食品はこれを受けて、「オー・ザック」製品の自主回収(約4億円分)をするとの事。
検出された組み換え品種『ニューリーフプラス』
検出されたのは、米国モンサント社が開発した遺伝子組換えジャガイモ「ニューリーフプラス」です。
これには、殺虫毒素生成とウイルス(葉巻き病)への抵抗性を与える2種類の遺伝子が組み込まれています。
日本へは1998年10月に安全性審査が申請され、現在は追加データの提出が求められています。複数の遺伝子導入は、安全性の確認がさらに複雑になるのです。
安全審査義務化
このニュースのように、2001年4月からの安全審査義務化(未承認のものの流通規制)が効力を発揮するようになったことは、少なくとも歓迎したいと思います。
分離証明書付きだったのに検出された
ハウス食品は、このスナックの原料について、遺伝子組換えジャガイモが混入していないという証明書を輸入先からもらっていたのに検出されたといいます。
ちなみに、組換えジャガイモの生産面積は、主生産国米国でもわずか5%位と低いものです。
もしかすると、輸出用に回しているということなのでしょうか。
信頼できない分離証明書
現在、食品業界では、輸入業者による組換えではないという分離証明書のある原料を使用するところが増えています。
ところが、これが信頼できないことが今回暴露されてしまいました。
食品企業は、輸入業者に分離証明の担保として、公的検査機関による検査データの提出も求めるべきです。
今こそ、消費者の懸念に真摯に対応する企業姿勢が求められます。
輸入の場合ならば、遺伝子組換え品種を生産していない国からの輸入に切りかえるのが最も確実です。とはいえ、どうせならば国産ジャガイモを使ってほしいというのが消費者の思いでしょう。
(2001/5/29)