組み換えコーンが5%混入していても「非組み換え」表示?!
5%混入でも「非組み換えです」と表示できる?!
2001年3月19日農水省は、4月1日からスタートする、改正JAS(日本農林規格)法にもとづく遺伝子組み換え食品の表示に伴い、遺伝子組み換えトウモロコシが5%以下なら「非組み換え表示」を認めるという通知を出しました。
米国が喜ぶ、日本の表示基準
また、ダイズの場合、分離流通のものでも意図しない5%くらいの混入が避けられないとして、5%以下をめやすに「非遺伝子組み換え」の表示ができるとされました。
なおこれは、「米国現地の混入実態に合わせた現実的対応」だそうです。
しかし、そもそも消費者がわざわざ価格の高い「非遺伝子組み換え」表示のものを選択するのは、それが組み換えではないと思うからです。(当たり前)
それなのに混入があるものに「非遺伝子組み換え」表示をするのでは、政府がウソ表示をやらせているのと同じではないでしょうか。
我慢して買わねばならない日本の消費者
すでに東京都が試買した「非組み換え」表示のある油揚げから、1%の組み換えダイズを検出していますが、5%の目安値を下回っていたので問題はないとされました。
このように、買い手である客が売り手の都合に合わせてがまんして買うなどというのは、非常におかしなことだと私は思います。
顧客のニーズに応えた商品が売れるというのが、自由貿易本来の原則のはず。
日本より厳しい欧州の表示基準
欧州連合の場合、混入割合1%以上のものに、遺伝子組み換え表示を義務付けています。
非組換え表示ができるものは1%未満です。
5%位の混入のある分離のいい加減なものは、欧州向け市場では組み換え表示が必要となるので売れないのですが、日本へ輸出すれば「非組み換え」表示ができる高付加価値商品になるのです。
このように、生産国である米国にとって、日本の「非組み換え」表示基準は大変にありがたいものとなってしまっています。なんとも情けないことです。
最大の輸入国として、せめて欧州と同等レベルの1%基準までは、最低限実現させたいものです。
(2001/4/24)