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「スターリンク」事件後の現状


厚生省の甘い対応

「スターリンク」問題への厚生省の対応は、(コーンミールへの混入が確認された)共立食品に製品の販売自粛をさせるとともに、米国と協議し、食品用コーン輸出時には「スターリンク」の混入検査を実施するよう決めたに留まっています。

はっきり言いますが、混入は、今までなんら有効な規制をしてこなかった厚生省の責任問題です。

政府は今、何をすべきか

政府は、来年4月の規制までは何もできない、などというのではなく、「スターリンク」の輸出を許している米国政府に対して早急に表示と分離体制を要求すると共に、当面は輸入禁止とすべきなのです。

これは、米国製コーンに大きく依存している業界にとっては、確かに困難が伴う措置でしょう。

しかし農水省にとっては、多様な輸入ルートを求めるという事、及び家畜飼料の自給化について本腰を入れて取り組む、良い機会でもあるのではないでしょうか。

スターリンクの現状

現在「スターリンク」は厚生省へ、食品としての安全性評価申請が出されています。

そして1999年6月、食品衛生調査会はアレルギー誘発性の追加データを申請者に要求しており、現在も審査中という状況です。

米国では食品への混入発覚後、アベンティス社が、食用としての安全性に問題なしとする自社データを発表しましたが、FDAは「慎重な検討が必要」 と述べています。

日本の厚生省も追加データを待つのではなく、いったん審査を凍結し、慎重に対応すべきだと思います。

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