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やっぱり死んだ、チョウの幼虫


あの実験、再び……

まずは、ニュースソースをご覧ください。

 日本農業新聞 8月24日記事より
『野外栽培実験、やはりBTコーンでチョウの幼虫死ぬ』

シカゴ8月22日時事……
 遺伝子組み換えトウモロコシのひとつ、BTコーンの花粉がついた草を食べたチョウの幼虫の約20%が死んだとする野外栽培実験報告がこのほど、米国アイオワ州立大学の、ふたりの研究者から発表された。

BTコーンは、害虫防除に用いられる微生物バチルス・チューリンゲンシス(BT)の遺伝子を組み込んだトウモロコシ。

BTコーンの花粉でチョウの幼虫が死んだとする報告は、米国コーネル大学が昨年5月に発表し、遺伝子組み換え作物全般に対する国際的な批判を高めるきっかけとなった。

だが、コーネル大の報告は、実験室という限定的な空間での実験に基づいたものであり、自然界では起こり得ないとする見方も専門家の間で強かった。

安田節子のコメント

日本の農水省は、昨年のコーネル大の実験を受けてすぐに、

「実験室での、過剰な花粉の量をかけた実験であり、野外では起こり得ない」

と否定のコメントを出していました。

そして、EUがただちにこの品種を輸入禁止したにもかかわらず、日本は輸入を続けました。

国民の命、健康を守ることを重視していない、ということでしょうか。

ちなみに米国FDA(食品医薬品局)はその後、遺伝子組み換え作物の新規申請には、 他の昆虫生物への影響データを付け加えること としています。

これにより申請する企業の負担が増え、申請のスピードはかなり落ちるといわれています。

このように、あの米国ですら、対応しているのですけれども。

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