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最大最後の推進国アメリカに変化が!


あるベビーフードメーカーの宣言

ヨーロッパで反対の風が吹いているため、99年になって、アメリカの市民運動も盛り上がってきました。

そんななか、遺伝子組み換え開発企業ノバルティス社の関連企業であるガーバー社というベビーフードメーカーが、消費者から不安の声が多数寄せられた事をきっかけに、 アメリカ国内では、一切組み換え原料を使わない という、非常に重要な宣言を行ないました。

アメリカ産穀物の暴落

さらに、ヨーロッパ諸国が、実質的に、遺伝子組み換え作物を輸入しなくなったため、99年、アメリカの穀物輸出は低迷し、価格も暴落しました。

これには、生産国がどこも豊作だったという要因もありますが、大豆は26年ぶりの安値、トウモロコシも13年ぶり、カナダのナタネ(組み換え)も7年ぶりという、記録的な安値になったのです。

アメリカ農業戦略の変更

このため、アメリカ議会は緊急に、生産者救済案を可決、生産者に5800億円もの補助金を投入するなど、対策におおわらわでした。

さらに、これをきっかけにアメリカの姿勢自体も変化してきて、もはや『アメリカ=遺伝子組み換え』 のイメージは、穀物輸出においてマイナスになるという判断のもと、 これからは任意表示をして、組み換えは安く、非組み換えは高く売った方が有効である という戦略に切り替えたのです。

このような流れの中、今後数年で、アメリカの農業政策(組み換え推進)がどう変わるか、目が離せない状況です。

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