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2004年09月

米国 若い牛の無検査の輸入要求 日本は20ヶ月以下で輸入再開か?
8月末、アメリカ政府高官が日本側に対し、生後24か月以下の若い牛についてはBSE検査をしないことや、目や脳などの危険部位除去を輸入再開の条件として示し、今年10月末までに輸入再開を実現するよう求めてきた。

米国の安全確保体制が万全に整ったというならともかく、それがないままの、11月の大統領選挙を有利にしたいためだけの手前勝手な要求である。

しかし、日本政府は、これまで輸入を再開する牛の年齢について30か月以下を求めていたアメリカが、より若い24か月以下まで譲歩してきたことを一定の前進だと受け止めている。これと軌を一にする形で、日本の食品安全委員会は生後20ヶ月以下の牛の検査は不要とする見解を発表。

日米政府ともに落としどころは20ヶ月以下での検査なしの輸入再開としているのではないか。米国の牛のBSEリスクについては、餌(肉骨粉禁止措置が厳守されている立証なし)、ダウナー牛、危険部位除去方法の不徹底、不正流通などの問題がある。実際のリスクはかなり高いのではと思われる。

「欧州食品安全庁(EFSA)が行った米国のBSEリスク評価の要点」を紹介する。

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農業情報研究所より転載)

1.外国から攻撃(BSE侵入のリスク)
2000年7月の最初の評価のときから状況は大きく変わった。EU諸国中のBSE発生国がその後急増、さらにカナダでも発生したことから、BSE侵入源となる国が急増した。これら諸国からの牛や肉骨粉の貿易状況を仔細に調査した結果、このリスクは80-90年は中位だったが、91-95年には非常に高くなり、さらに96-03年には極度に高くなったと評価している。

2.国内におけるBSE再生産のリスク

(1)給餌

97年8月まで、哺乳動物肉骨粉(RMBM)を牛に与えることは合法だった。従って、給餌に関しては「不合格(not OK)」。

97年8月にRMBM禁止(フィードバン)が導入されたが、非反芻動物肉骨粉を牛に与えることはなお合法で、非反芻動物(農場動物やペット)にRMBMを与えることも合法だ。様々な哺乳動物肉骨粉(MMBM)はラベルで区別できるだけで、RMBM禁止を維持するのは困難。反芻動物と非反芻動物の肉骨粉の分析的区別は非常に困難だから、フィードバンのコントロールは難しい。

米国では生産システムが高度に専門化しているから、様々なMMBMの流れは分離できる。従って、このようなフィードバンは、この高度に専門化した地域では「合格」と評価する一定の根拠がある。しかし、いくつかの地域には混合農業・混合飼料工場があり、このような地域ではRMBMの禁止では不十分だ。禁止を遵守させるための牛飼料の公的コントロールは02年に始まった。従って、97年以後の給餌の評価は依然として「不合格」だが、改善されつつはある。

(2)レンダリング

レンダリング産業は感染性を減らすとは立証されない工程で操業している。従って、レンダリングは「不合格」だったし、今も「不合格」。

(3)特定危険部位の除去

特定危険部位は飼料用にレンダリングされたし、今でもそうである。これには病牛・死亡牛の部位も含まれている。従って、特定危険部位の除去は「不合格」。

報告は、レンダリングまたは給餌に大きな変化がないかぎり、牛がBSEに感染する公算は永続的に増えつづけると結んでいる。
(転載ここまで)

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日本政府は時間がかかっても米国のリスク評価にきちんと取り組むべきだ。それなしに輸入再開はあり得ない話ではなかろうか。また、カナダ・米国に代わって輸入急増するメキシコ牛の安全性評価も必須だろう。EFSAの評価したリスク・レベルでメキシコは米国と同じレベルに位置づけられている。

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2004年09月12日更新
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