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油と醤油の問題


油やしょう油では、組換え由来成分は分解されて残らないのか

大豆やナタネから搾った油は100%の純度ではなく、不純物として蛋白がわずかながら混入しています。ですから大豆アレルギーの患者は大豆油が食べられないし、ゴマアレルギー患者はごま油を避けるのです。

この蛋白部分に組み換え由来の蛋白がどれだけ含まれるているかは知りませんが、推進側の「油は(組み換え由来の蛋白は)残らない」は正しい言い方ではありません。微量の残存はあるが、検知は困難ということです。

また、醤油は発酵食品のため、発酵によって分解しDNAがぶつぶつに切れてしまうため、PCR法での検出は不可能のようです。(検知可能な方法も開発済み)

「高オレイン酸大豆」使用醤油が表示無しで流通

厚生労働省は、この9月に、重要な決定を行いました。

それは、これまでの大豆とは明らかに成分の異なる「高オレイン酸大豆」を使った 醤油を、表示なしで流通させるという決定です。

醤油業界からの委員ががんばったのですが、とんでもないことです。

高オレイン酸大豆は組成が従来の大豆とあきらかに異なるため、組み換え作物の安全性評価の根拠である従来の作物と実質的に同等という基準からは外れてしまう初めてのものです。

これは本来流通を認めるべきではないのです。

しかし流通を認め、ただし特別に、これを使った食品すべてに表示をするということを決めていました。そのため、他の組み換え大豆やトウモロコシ、ナタネなどでは表示されない油にも表示、となりました。それならば、醤油にも表示すべきなのです。

私は、組み換え原料を使用した食品はすべて表示されるべきと思います。EUは、醤油も油も組み換え原料が1%以上混じっているならすべて表示が必要としています。

(2001/11/27)

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