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スターリンク事件で厚生省が隠していた事


なぜスターリンクは食用不可なのか

今回、日米両国で食品への混入を報じられた組み換えコーン「スターリンク」は、遺伝子組み換えにより、殺虫毒素(Cry9C)を生成します。

そして、これがヒトでは消化されにくいため、アレルギー性が懸念され、食用の認可が下りていないのです。

しかし、「スターリンク」はその問題点のみならず、除草剤グルホシネート耐性の酵素遺伝子が合わせて導入されているという点にも着目すべきだと思います。

というのも、環境保護庁(EPA)の安全性評価では、殺虫毒素(Cry9C)のみの評価しか行っていないからです。

本来ならば、複数の遺伝子が導入された状態での安全性を調べるのが、科学的評価としては必要なことだと思うのです。

厚生省は事実を隠していた!

ところで厚生省は、2001年4月以降、遺伝子組み換え食品の安全性審査が義務化されることから、現在検査方法の研究を進めています。

ところが、その研究過程で用いたトウモロコシ18検体中、なんと7つの検体に「スターリンク」の混入が確認されていたというのです。

しかも9月上旬という早い段階で、混入の事実が明らかになっていたにも関わらず、厚生省はこれを隠し続けていたのです。

そして前回お知らせしたように、10月25日、市民団体『遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン』 の検査により、日本でも混入食品流通の事実が発表されるに及んで、ようやく11月7日、プレスリリースで対応の一貫として明らかにしたのです。

都合の悪い事はまず隠す──。

厚生省の体質は、薬害エイズの時となんら変わっていないといわざるを得ません。今回の事実は、アレルギーで苦しむ人々にとって、大きな脅威だというのに……。

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