各国の状況……オーストリア、ルクセンブルク、ノルウェーの場合
断固たる姿勢を持つ国
EU加盟国の中でもこの3国は、遺伝子組み換え作物に対して非常に厳しい態度です。なんと、実質的に生産も流通も止めているのです。
「EUの状況」のところで、EUとしては大豆、トウモロコシ、ナタネだけは流通を認めるとありますが、この3国は、国民世論の反対が極めて強いため、他の加盟国からの批判を受けながらも、実質的な禁止に踏み切っているのです。
世界には、こういう国もあるんですね。
国民の声が政治に届く国
例えばオーストリアでは、10万人以上の国民署名が集まると、議会で取り上げ、審議しなくてはならないという法律があるのです。
そして、遺伝子組み換えの禁止を求める署名は、なんと1週間で126万人分も集まったのです。
こうした声を受けて議会は、EU全体では認められている遺伝子組み換えトウモロコシとナタネの流通を禁止しました。
食品の安全性に対する意識が高いという伝統を持つ、北欧のノルウェー議会も、遺伝子組み換え食品のリスクに関する文献を世界中から集め、それらを検討した結果、遺伝子組み換え食品は認めないという採択をとりました。