タイトル 「食政策センター ビジョン21」主宰の安田節子公式ウェブサイト/
リンクは自由です(連絡不要)/お問い合わせは管理者まで

安田節子ドットコム

 

【本の紹介】『モンサント――世界の農業を支配する遺伝子組み換え企業』


書評

3センチはある分厚い本書を、敬遠するなかれ。探偵小説を読むようなスリリングさ。モンサント社の徹底した営利主義に貫かれた、過去、現在の驚くべき行状とその手口を多くの証言者のインタビューによって、また文献に裏打ちされた詳細をつまびらかにしている。16ヶ国語に翻訳され、世界的ベストセラーとなっている。また本書の後ろに河田昌東氏が「モンサントのGMO作物と日本」と題して簡潔にわかりやすくGMO作物の問題性、日本における状況を解説されている。

モンサント社の行状を明らかにした書籍としては先に、英国のエコロジスト社が出版した「The Monsanto Files」(1998年)がある。この出版をモンサント社が印刷会社を脅して妨害したので、なおのこと、日本の人たちに知らせたいと、翻訳版「遺伝子組み換え企業の脅威―モンサント・ファイル」(緑風出版)を送りだしておりますので、こちらも合わせて読んでみてください。

著者略歴

著者マリー=モニク・ロバンはフランスのジャーナリスト、ドキュメンタリー映像作家。「アルテ」(欧州9カ国で放映するTV局)の看板ジャーナリスト。彼女が製作したドキュメンタリー映画「モンサントの不自然な食べもの」は彼女のこの取材を映像化したもので、渋谷のアップリンクで上映され、DVDも販売されている。この映像は42カ国で公開され、「レイチェル・カーソン賞(ノルウエー)」「環境メディア賞(ドイツ)」などを受賞している。

書籍案内より

世界43か国で、遺伝子組み換え種子の90%のシェアを誇るモンサント社――。この世界最大級のバイオ化学企業は、これまで、PCB、枯葉剤…と、史上最悪の公害をくり返し、多くの悲劇を生み出してきた。そして現在、遺伝子組み換え作物によって、世界の農業を支配しようとしている。 いかに同社が、政治家と癒着し、政府機関を工作し、科学者に圧力をかけ、農民たちを訴訟で恫喝することによって、健康や環境への悪影響を隠蔽し、世界の農業を支配下に収めてきたか。本書は、3年にわたる調査によって、未公開資料、科学者・政治家・農民たちの証言をもとに、その驚くべき実態を明らかにした、世界が瞠目した話題騒然の書である。

モンサント社は「TPPを推進する米国企業連合」のメンバーであり、TPP交渉によって、遺伝子組み換え食品(GMO)の「表示義務」を撤廃させ、日本へのGMO食品・種子の売り込みを狙っている……。

モンサント――世界の農業を支配する遺伝子組み換え企業

(2015/04/20)

[INDEX][遺伝子組み換え食品目次][遺伝子組み換え食品コラム・目次]

©2000 Setsuko Yasuda All rights reserved.