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汚染米から米流通を考えるシンポジウム(第二部:農水省、厚労省とのやりとり)


出席した担当者一覧

農林水産省

総合食料局食糧部消費流通課流通加工対策室長……大坪正人
計画課需給調整対策室課長補佐……長峰徹昭
計画課国際班課長補佐……神藤光明
消費流通課農産物検査班課長補佐……二井幸徳

厚生労働省

医薬食品局食品安全部企画情報課検疫所業務管理室……今川正紀
監視安全課 係長……高田
基準審査課 補佐……西島

役所の担当者との議論

※シンポジウム『汚染米から米流通を考える』の模様をテキスト化したものです。

安田:農水省の方も今日は前回と違いまして、資料をお持ちいただいたようなので、短く10分くらいでご説明お願いできますか。その後、パネリストも会場の皆様も含めてやりとりしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

大坪:農林水産省の食糧部消費流通課流通加工対策室長の大坪です。この度、事故米穀問題については、消費者を初めとする国民の皆様に大変な心配、ご迷惑おかけしてしまいお詫び申し上げる。今回の事故米穀については各種法令とか、契約違反をした業者の問題は当然あるが、長期にわたって横流し、転用など見逃してきた、見つけることができなかったことについて責任を痛感している。現在、流通ルートの解明、再発防止策について関係省庁と共に究明中である。また、法曹関係者、消費団体を集めて第三者委員会有識者会議を立ち上げ検証しているところだ。

経緯について前回説明したかどうかわからないが、資料を出さずにやりとりしたということだが、今回は資料を持ってきている。10月22日の「事故米穀の不正規流通の経緯」がある。経過だが、まず、8月22日に福岡農政事務所の食品等110番に三笠フーズが事故米穀を焼酎などに横流ししていると、匿名の情報提供があった。その際、調査の端緒となった具体的な情報があると、いろいろ電話でお聞きしようとしたところ、後日、連絡するという話になり、実際に27日になって具体的な情報を聞いた。この情報を受けて、厚労省、関係の省、保健衛生部に連絡しつつ、関係先の立ち入り調査をしてきた。立ち入り調査によって三笠フーズが事故米穀を食用に混用していたことを確信し、9月4日、三笠フーズの社長がこの事実を認めた。その内容については……。

安田:大坪さん、そういう話はわかっているし、この資料を読めばわかる。それ以外のことを、新たにわかったことで市民に伝えたいことがあれば、話してほしい。後は質疑応答の中でやりたい。資料は全部いただいたことがあるものだ。

大坪:そうですか、前回何も資料をお渡ししなかったと聞いたもので。

安田:お手元に農水の資料があると思う。前回は全く出なかったもので、途中で私どももいただいたり、みなさんもHPなどで手に入れているものばかりだと思う。今日の会場で、厚労省もきていただいているので質疑応答をしていきたい。パネリストからいろんな面から問題点が指摘された。パネリストから今ここで聞いておきたいことおありか。

辻:先ほど、米の検査について話をさせてもらったが、とりあえず、着色粒の項目を削除するか、どうするかお聞きしたい。

農水省二井:これについては、これまでも今野さん初め、いろいろご要望いただいている。カメムシが発生する状況がある。農産物検査はあくまでも、業者と生産者の流通機関というものと、消費者の観点から言うと、銘柄の観点があり、そういった面から生産と流通の間の流通をどうするか、その中に、1等、2等、3等、その中に、さらに着色粒の規定がある。規格というのは昭和49ねんとあるが、そもそも26年にできている。その間で、流通段階でいろんな……。

安田:辻さんの質問に直接お答えいただいた方がいい。着色粒をどうするのか。

農水省二井:検討はしている。具体的に関係者の方々の聞き取り。今後は現地の方にそれぞれ伺って話を聞いて、その後、来年度産というわけではないが、検討は進めている。

安田:検査の等級を消費者側からみた場合に、消費者には一切関係ない。消費者がお米を買うときに必要のない、知らされてない等級検査を生産者から米を買い上げる段階で厳しくするのは、どういうことになるのか。消費者には全く情報が出てこないが。

農水省二井:たとえば、1等、2等、3等になると入っている整粒なり、被害を受けている粒の割合が違う。できる製品は一定だ、だから、高いもの、質のいいものを買えば消費者に提供できる品質のいいもののとれる量が多い。

今野:消費者に届く量が増えるというが、規格だと0.1%と0.2%の違いで格差が1000円も違うが、0.1%の差というのは、60キロの中に1等と2等の間には60グラムの米粒の違いがあるということになる。値段にすると、1万5000円の米粒の中に、15円分の被害粒が入っていると1000円安くなるということになる。業者が2等米を1000円安く買って、15円分の斑点米を取り除くと1等米と同じ値段で売ることができる。そうすると生産者から安く買ったものを消費者に還元していない。選別して、償却代とか加算して、仮に20円として980円の差益が選別業者に残る。それは消費者のためというよりも流通業者にとって大きなメリットになっている。

農水省二井:前にお話ししていると思うが、私どもでとうせい業者に試験してもらったが、着色粒のないものをベースにして2等の下限のもの(0.3%)、3等のもの(0.7%)のコスト差を出してみると、大体、ないものと0.3あるもので500円くらい、3等と1等の間のもので1500円程度のコストの差ができる。

安田:そうだとすると、国内で検査で価格差をつけている、その等級検査は輸入米はしているのか。

農水省二井:ある。この検査と同じように、玄米の場合は合格、精米の場合は1等、2等、3等、規格外とある。

安田:SBS米は等級がついて買い付け業者は知った上で買うと。それは価格に反映されているのか。

農水省二井:それは基本的には、少なくとも買って売るという行為だけ、瞬間とうじなんで、その間におけるマークアップが決まっているので、検査を受けなければならない。国内で検疫の後でやる。通関で安全が確認されたあとでやる。

安田:しかし、それは検査米でないとできないだろう。未検査米がいっぱい入ってくるではないか。

農水省二井:すべからく、米については同時であろうが、商品に買って保管しようが、全部国が買い上げることになっているので、国が全部検査をする。品質の検査もする。

辻:品質とは何か。

農水省二井:品位だ。1等、2等、3等の検査をしている。

辻:国内と輸入米との検査の内容が違うと資料にあるが、どう違うのか。

農水省二井:国内の場合には肉眼鑑定で、標準品というのがあるが、外国の場合は基本的には相手国の基準があって、そういうものと契約条件がある。それらを含めて作り上げた規格で、基本的には被害粒だけを除いていく。よっていって、たとえば、やけ米だとか、そういうものが0.何%以上入ってはいけないとか、

安田:そういう検査をしているのに何で汚染米がこんなに入ってくるのか。

農水省二井:汚染米がはいってくるというのは、たとえば30キロの袋があるが、1回で1万袋くらい入ってくる。それは抽出でやる。基本的には10分の1だ

辻:その輸入米の検査と国産の品位の検査はどう違うのか。資料を出していただきたいのと、MA米が1等米、2等米、3等米とどういう比率になっているのかそれも出してもらいたい。

農水省二井:はい

辻:先ほど、関係者の意見を聞いていると言ったが、関係者とは誰か、流通業者のことか。

農水省二井:当然、流通業者、小売りもあるし、卸、機械メーカー、卸団体、生産者団体にもいっている。これから県とか地方。消費者団体にも伺う

辻:消費者団体と言うが、私たちが最初から問題提起しているわけだから、当然、私たちの意見を聞くべきと思うが。それは前から話し合いをするというふうに言っておったから当然やるとは思うが、

農水省二井:はい。全団体にやるつもりだ。

安田:外国米の品位の検査機関はどこか。

農水省二井:私どもが民間の検査機関を登録制でやっている。オミックも入っているし、検数協会とか。どの検査機関で検査を受けるかは商社が選ぶ。国が指定するのではない。

安田:すると、5業者いて、それを任意に輸入商社が選んで、そこで品位の検査、安全性の

農水省二井:安全性の検査は別でやる。

安田:すると2種類の検査を輸入米も受けているということか。今10%のサンプリングが原則と言ったが

農水省二井:それは品位の検査だ。

安田:そのサンプリングは誰がやるのか。オミックだったら日本だから、日本についてから検査するのか。

農水省二井:品位検査はこちらについて日本国の規格で検査をする。安全性の検査は別で、厚労省の登録検査機関でもオミックはある。たまたまダブっている。

安田:今国内の米が厳しい検査で農薬の多使用を強制したり、価格を安くする米がいっぱいでてくるような検査体制があるということを現場の人たちが問題にしている。一方で輸入米はミニマムアクセスでいらない米が入ってくる。中でもSBSという主食用の丸米を10万トンも毎年入れ続けている。本来国内の米の精米価格に影響を与えないで、入れると言いながら、何故、10万トンのSBSを入れているのか。その説明をお願いしたい。

農水省神藤:計画化の神藤と申します。SBSについては主食用ということで10万トン買っているが、用意していただいた資料の14頁にミニマムアクセス米の販売状況となっているが、この中で平成7年から平成20年までの間に今までの累計で865万トンMA米を輸入している。これはSBSもそれ以外のものもすべて含んでいる。SBSは現在年間約10万トン入っている。主食用と言っているが、食用の中でさらにご飯、粒のまま炊いて食べるようなものだ。加工用はせんべいとか

安田:だから、なぜ、主食用を入れるようになったかと聞いているが

農水省神藤:一つは、国内での輸入米の評価がどのくらいになるかというのを

会場:何の評価やねん

安田:ん? 主食用に日本人がどれだけ受け入れるかというのを評価する?

農水省神藤:それもひとつある。もう一つは、当然、輸出国からすると加工用や援助用じゃなくて、全量主食用で売るべきだというのがある。われわれとしては最小限に抑えたいが、現在10万トンいれている。国内の需給に影響を与えないようにという関係から、MA米を受け入れたときの各業界で国内の閣議決定で、これによって減反を強化しないとなっている。それとの関係で、今まで

安田:そうすると、MA米の国内向けの説明では主食用に影響を与えないと、全く別用途で加工用、飼料用にまわすものなんだと、

農水省神藤:その脚注をご覧いただきたいが

安田:これは嘘だ。読みましたけれども、主食用のSBSとして買った91万トンは、援助用と飼料用に活用したと。援助用は115万トン、飼料用は72万トンと書いてあるけれども、この865万トンのミニマムアクセス米の中に、それとは別に、援助用は222万トン、飼料用は104万トンと使っている。だから、主食用は主食用でまわっているじゃないか。

農水省神藤:誤解されやすい資料になっているが、援助用は上の方の222万トン、これはMA米を使って援助に出したものだ。下の方の援助用115万トンというのは、国産米の政府の備蓄用を援助に出しているものだ。で、年間10万トン主食用のマーケットから差し引いて

安田:わかった。そうするとSBSとして主食用が年間10万トン入ってきて、その分、国内の買い上げ用として、国内米を援助用や飼料用として買い上げていると。だから、国内の買い上げている分が、入ってくる主食の91万トンより多いから、影響を与えないという理屈か。

農水省神藤:そういうことだ。

安田:それは違う。それは理屈として成り立たない。主食米の価格と飼料用の価格は全然違う。しかもアメリカの米はカルローズとか品位の高い米をがんがん売ろうとしているし、入ってきている。中国産の米も日本の商社が行って開発して、日本の受け入れしやすい米が増えている。そうやって輸入米は外食産業やいろんなところで、SBSの米はずいぶんと売れるようになっている。国内米にかなりの影響を与えている。それはアメリカの要求だと思うが、そもそも、98年にSBSが5万トン足らずしか入ってなかったのを、何で急に12万トン入れるようになったのか。アメリカから要求されたのか。どういう理由で倍以上に増やしたのか。

農水省神藤:ちょっと5万トン、10万トンの関係はちょっと今わからない。

安田:じゃあ、調べて返事をしてほしい、次、

橋本:今の話との関連だが、10頁に農水省の減反面積の、特に今年度増やした表がある。それで見ると、今年、以前に比べて10万ヘクタールも減反面積が拡大している。これもSBSとの関係があるわけだ。農民には過剰米、輸入米の圧迫があるという説明がなされている。秋田県の農家の方が書いている。

農水省長峰:計画課の長峰だ。生産調整を担当している。5頁の表の性格を説明したい。19年、20年に比べるとご指摘あるとおり、約86万ヘクタールで10万ヘクタール転作が拡大している。これは国内の水田の面積でということで、今、主食用として自給するために150万ヘクタールあればいいと。それ以外のものを自給率の低いものをつくって10万ヘクタールに拡大していこうという今年の目標だ。この目標目指して取り組んでいく。

辻:しかし、減反しているところには交付金を出すけれども、してないところには出さないことになっているではないか。

農水省長峰:産地づくり交付金というのがあって、地域で水田をどう活用していくかというビジョンをつくっていただくことになっている。生産調整は主食用として自給して国内の自給率を高めるという観点はあるので、米粉とか、飼料用とか米による転作も含めて拡大していく。そういう意味では、ご理解いただいた方に交付金を与えるという制度になっている。

橋本:3頁に秋田の方が書いているが、過剰作付けがあるから、生産米価が下がるし、農協の米が販売不振だ、輸入外米も販売不振で大量在庫となる、だから、減反強化だ、取り締まれ、ペナルティを与えろと農水省、各都道府県、市町村と農協が一体となって生産者に対して強引な脅迫じみた圧力をかけていると。これは現在の話ですよ。

会場:関西の消費者団体の代表できている。産地交付金に関しては、米には減反奨励金が出る。他のものを蒔いた場合には転作奨励金が出る。産地交付金は各地方自治体のものであって、お宅のおっしゃるように水田に限らない。そこをちゃんとわかって話すべきだ。反当たりに4万くらいついても、大豆なんかは蒔いてそのまま枯れっぱなし、これが産地交付金のやり方だ。これだけの財政赤字の中で何だ。今日の話は。もう少し消費者側に立って、生産者側に立ってやってくださいよ。

農水省長峰:産地交付金は、水田の中で米じゃないもの、麦とか大豆とか転作の作物のところにお金が行くようになっている。それは国の補助金は県から地域協議会に行くようになっているが、地域協議会はその用途、使途を決めて使っていただくようになっている。 会場:そんなことはわかっている。主食のところで、米が命だ。その現場のところでのこの会合ではないか。農家を泣かせて消費者を不安がらせて、その原因が農水省だ。

農水省長峰:何故、そこにお金を出しているかというと、米を作るときの再生産を確保するお金と、麦とか大豆は安いから、米に近づけるために交付金を与えてやっていかなければならない。

会場:主食用のミニマムアクセス米についてだが、主食用が10万トンと。この数字はすごく莫大な量だと思っていたが、農水省はとんでもないことを言った。これは国民の評価用に入れていると。これ、びっくりしたが、評価というのはこの10万トンをとりあえず入れて、国民が受け入れるかどうかテストしているということか。なぜ、そんなことをするのだ。

農水省神藤:それは一つの理由で、それだけの理由でやっているのではない。99年の関税化で、ウルグアイラウンドが終わったときに最初から関税化しておいた方が良かったのではないかという議論があった。その時には国内で外米の評価がどうでるかわからなくて、関税化することによって、安ければ何でもいいという形で、安いお米に高い関税をかけて入ってくるという、そこについての確信がなかった

安田:どういう確信か

農水省神藤:国内の消費者の方が、外国米に対して、安くて品位の低いお米もあれば、高いお米もある。安ければ何でもいいという形で入ってくるのか、こないのか、それによって関税化ができるのかどうかということに対して、評価すると

会場:(何を言っているのかなど)

辻:SBSは最初から入っているのではないか

農水省神藤:はい。

辻:95年から入っていて、途中で関税化するからといってどうしてそういうテストをしなければいけなかったのか

農水省神藤:説明不足で。

会場:こういうことではないか。消費者が安くて日本の米と変わらない米に飛びつくことがわかったとしたら、なんとしても関税化を避けて、輸入米を増やしたくないという考えがあったのではないか。それとも、評価としてこれだけ入れているということは、今後増やす前提があるのか、そこが一番知りたい。農水省は輸入を増やしたいのか、食い止めようと考えているのか。

農水省神藤:そこはまさにWTO交渉の世界だが、われわれとしては当然、MA米は国内でお米が余っているわけだし、事故米も国会でこんなものは輸入を止めるべきではないかという議論もあり、大臣の方からも入れないにこしたことはない。国内で国産の美味しい米を食べるなら、もちろん、大臣もそう思っている。われわれとしても最小限の……。

安田:だったら1万トンでも5千トンでも良かったのではないか。何で5万トンが10万トンに増やしていくようなことをしたのか。

農水省神藤:数字はちょっと私承知していないので、応えられない。

安田:農水省としてはWTOルールがあって、加盟国として参加している以上、いずれ米の価格は下がると、関税が下がって米が入ってくる時代がくると。そういうふうに予想している訳で、それに対する準備として、米の表示制度も輸入米がブレンドになってもかまわないように、素性のわからない米があっても困らないように生産国と割合さえ書けばいいと緩和して、SBSで国民の嗜好をチェックするというのではないか。

農水省神藤:ええと……。

会場:そうだろう。

農水省神藤:MA米の数量は私も正確なことはわからないので。

安田:じゃあ、この集会からお答えを要請したということで、必ず調べて返事をするように。

牧下:今のMA米に関係することだが、まずひとつはもし評価とかそういう問題があるのであれば、加工食品表示に、現在、原産国表示が決まっているのはお米関係では餅だけだ。加工食品用ということであれば、冷凍のおにぎりとか、さまざまな外食産業が中食で使われている米が原産地や原産国を書く必要はないという体制だ。ということは、入れるときに表示制度を整備しておらずに、評価ができるわけがない。

それから、今回の米の流通検討会でトレサビリティ、表示、流通の届け出制を許認可にするとか言っているが、まず、この検討会に生産者が入っていないということに甚だしい疑問を感じる。ここで、先ほどの検査の問題とJAS法の表示の問題についての整理をするのか、あるいは、JAS法は別だから、品位検査は別だから、法律が違うからということで、曖昧にするのか、その中でMA米のことも忘れられるのではないかということが、今回、傍聴していて疑問に思った。

また、SBSがマークアップすると言っているがマークアップするということは、同時入札だからマークアップ率で入札するが、入札が落ちたらどうするのか。入札にひっかからなかった入札があった場合、つまり農水省としては上からとっていくのだからとらなかったところは、その時点で契約を解除するのか、あるいは、その米は商社と卸で入札できなかったことになるから、途中まで契約を進めているから、その米は宙ぶらりんになる。契約はその時点でSBSが通らなかったから破棄するということで、貿易関係はスムーズに行くのか、それとも何らかの救済策がとられているのか。

それから14頁の表のミニマムアクセス米の販売状況だが、注釈で、援助用115万トン、飼料用72万トン、合計187万トンの国産米を活用しているとある。ところが今年の7月に農水省が出している「備蓄米のあり方」には、4頁、5頁で計算すると、どう足しても援助用米は50数万トンにしかならない。なぜか。そのあたりの統計の不備がこの問題をますます見えにくくさせている。きちんと説明してもらいたい。

農水省??:表示以外についてまず答える。SBSの契約が成立しなかった場合だが、これは単純に契約がなくなる。契約の段階ではお米は船に乗らない。国産米を活用した援助の数字だが、その資料をみてないので、わからない。

農水省??:表示を含めてだが、加工食品の原料原産地の問題は平成16年に生鮮に近いものについてとりあえず、50%以上のものについてやりましょうとなった。その時に、どの範囲までかということになるが、加工度合いでその品目を選んでいくという段階で、確かに餅については入っているが、冷凍おにぎりは加工度が高いので、加工度で決めている

安田:それは農水量の論理だ。JAS法で勝手に生鮮品には原産国表示をすると決めたけれども、加工品で原料に大変たくさんの輸入物を使っていると、それに対して消費者の不安が高まってくる中で、生ものに対しては原産国表示を付けたことに近づけて、なるべく生ものに近いものについては、加工品でも原産地表示をするといって、少しづつ増やしてきて米については餅にはあるが、冷凍おにぎりやお赤飯やいろんなものがいっぱい出ているのに、しないわけでしょ。

農水省??:冷凍食品についても表示の義務になっている。冷凍野菜だが。

安田:それをするつもりはあるんですか。

農水省??:いや、それは直接ではないが、今原料原産地については、随時、??共同会議というのを開催して、消費者の意見を聞きながらやっている。ということで、

安田:やっているということはわかるけれども、今、私たちが要望しているのは汚染米の経験からこれほど、普通の人が食べているコンビニのものから給食から、あらゆるところに輸入のお米が形を変えて入ってきた。そういうところに原産地表示が全くないからわからないで知らないで食べてきた。そこにちゃんと表示をするのかと言っている。

農水省??:今のシステムの検討の中では一つはトレサビリティと、原料の原産地表示の関係とはいっている。ただそれをJASとして扱うのか、別として扱うのか、

牧下:JASと検査法の関係をこの中で、きちんと入れてやらないと、表示だけを検討するところで、結果的に品位検査も絡んでくるが、それはトレサビリティも同じだ。トレサビリティといっているが、牛肉と違って、粒だから、ばらせばどうでもできる。その中で実効のあるトレサビリティは何なのかということすら事務局は出せない状態だ。

農水省大坪:事故米の関係で安田先生がおっしゃるとおり、いろんなところにお米が形を変えて流れて大きな影響を与えていた。それがなかなかわかりにくくなっていた。私ども本当に大きな影響があると十分認識している。表示の件だが、原産地表示の問題については、加工食品については共同会議で議論されている。そういうものについてももともと議論されていたが、今回の事故米に関して米の原料原産地の表示義務にかかる検討を幅広く検討している。11月中に何らかの線をだすということで進めている。

会場:さきほどの質問で、答えてもらってないが、主食の10万トンの評価という言い方をしたが、評価というのは、これはMA米だとわかるようになっているのか。評価するのならこれはMA米だ、これは国産米だとわからなければ、評価なんかできないが。

農水省??:直接の消費者の評価が得られないというのは、その通りだ。そこは私の説明が不適切だった。SBS米を使っているのは基本的に外食だが、そういった業界の市場の評価が現れる。そういう意味では消費者の評価ではない。

安田:そうすると、SBSの米を入札した卸が外食に流す。これはアメリカ米だとか、これはピラフ用の米とか、そういう割と品位の高いものを外食に卸して、それが外食産業がこの米なら買いますよと、そういうニーズがあるかないかを見てると。輸入米の時代がまもなくくるという中で、それをどういうふうに対応するかという根拠にしたいということなのか。SBSって、それだけのことで10万トンも入れる根拠になるか。

農水省??:数字の経緯は不適切な答えになってはいけないので。資料要求を受けたので、出す。 安田:次に、厚労省にも関係あると思うが、SBSのお米については、先ほど、検査は輸入米でも品位検査を行っていると言われたが、全量、全部品位検査を受けているわけか。(はい)、で、安全性の項目検査は輸出港と輸入港でそれぞれ受けているわけか。厚労省が検疫検査をするというのは、倉庫に入った段階でやるのか。それとも船の中でサンプリングをして、それを検査機関に出したものを見てやるのか。

厚労省今川:厚労省食品安全局の今川だ。荷揚げして、倉庫やはしけで厚労省の担当者がサンプリングして、やる。

辻:サンプルだが、それも10%か。

厚労省今川:厚労省の検査は米に限らないので、過去の違反事例とかで毎年検査を何件するか計画を立ててやる。その中で、今、輸入が届け出件数が大体186万トンなので、検査は8万9千件行っている。検査率で言うと3%か4%だ。お米の場合は、もっと数値が高くて、およそ50%くらいだ。すべてやっているということではない。ついたものについて任意に抽出をして、たとえば、届け出が10件あった場合には、簡単に言うとそのうちの5件を任意に抽出してとりにいく。とりにいくときに、サンプリングの方法というのがあって、お米に限らず野菜も何でも同じだが、お米は袋が主流だがそれがたとえば1000袋入ってきたら、5袋開けて合計で1キロにする。200グラムづつだ。そういう抽出の検査になる。1万入ってきたらいくつ開けるかとか決まっている。

辻:米が50%というのは高いと思うが、違反がなければ全部無検査でいくのではないか。

厚労省今川:違反がなくても、検査は全部ということではないが、米の場合、過去3年くらい前までは、全届け出検査をしていた。全届け出検査というのは、たとえば、1000届け出があった場合、全部やっているということではなくて、同じ船でも東京で卸して、名古屋で卸してという場合があるので、その場合には、どこでやっても同じなので、届け出は3つに分かれていても、その一つだけやる。全届け出といっても1000件あったら800件くらいの割合になる。その後、まあ残留農薬違反はごくまれにはあるが、それほど多くないということがあるので、危険度というのはサンプリングプランの中で徐々に下がる。そうした中で、他の野菜などに比べて米は主食ということもあるので、検査率は高く維持している。50%くらいに設定して今やっている。

安田:そうすると、輸入米で一番心配なのはカビ、アフラトキシンですね。このアフラトキシンの検査は厳重にされているわけか。

厚労省今川:アフラトキシンの検査はやっている。主にやっているのは残留農薬、それからアフラトキシンだ。ただ、ひとつの届け出があったときに、両方開けるときもあるし、片方、アフラトキシンだけ、残留農薬だけということもあるので数は同じではないが、大まかに言えば大体5割くらいだ。

安田:農水省の説明では、荷揚げ時、あるいは輸出港でオミックとかいくつかの業者がいて、そこにサンプリングを送って問題なければ入ってくると。だけど、日本で買い上げて倉庫に入れた段階で、厚労省の検疫検査で違反が見つかったという説明をしていた。そうすると農水省の検査ってのは何なのか。

農水省??:農水省の検査は、アメリカならアメリカの港を出るときに、サンプリングしてオミックなりに依頼して分析してもらう。ついたものを分析する。その他に厚労省さんも検疫所で分析している。

安田:検査項目は同じなのか。

農水省??:農水省は農水省の項目がある。これは公表されている。

安田:何故、違うのか

農水省大坪:食品の安全性の問題は、食品衛生法に基づくものなので、輸入時に厚労省さんから検疫所で検査される。私ども農水省が検査しているのは、輸入者としての自主検査という形だ。だから輸出国において船積みする前に自主的にサンプルをとったのを日本に送って、農薬であるとかアフラトキシンなどを検査している。輸入者である農水省が買うために、商社が検査している。

安田:そうすると、今回の汚染米で見つかったのは、厚労省の検疫検査でわかったわけか

農水省??:国内で保管中のものだ

辻:だから、アフラトキシンについて厚労省は検査してないのではないか。カビの検査はするけれども、アフラトキシンの検査はしなかったと国会で答弁している。

厚労省今川:厚労省の検査は理化学検査だ。カビとか、腐敗などは現場の倉庫などを見て、その時には理化学検査はしない。もう違反なので。それ以上、それがアフラトキシンであるかとか検査はしていない。

辻:してない。厚労省はアフラトキシンの検査をしてないわけだ。農水省もしてないのだから、アフラトキシンの種のカビなんかが混ざっていたお米が、倉庫の中で増えて9.5トンになったんだと、農水省は言っている。だけど、実際に保管するのは低温倉庫でやっているのではないか。

安田:低温倉庫で保管している。アフラトキシンは、温度30度以上、湿度95%以上でなければ発生しないのがアフラトキシンではないか。それが何故、日本の低温倉庫で発生するのか。

農水省大坪:科学的に発生しないのかどうかということは、私、不明だ。

辻:前回の集会の時に、アフラトキシンがどういうときに発生するのか。どうして検疫でわからなくて、倉庫の中で突然9.5トンも汚染されるというそのメカニズムを教えていただきたい。前から言っている。

安田:そんなのあり得ない。汚染されてきたのだ。それを農水省も厚労省の検査でも発見できなかった。農水省はサンプルをオミックに送って検査したけど、見つけられなかった。そのくらいずさんな検査しかしてないということだ。

会場:農水はよそに検査を出しているが、厚労省はどうしているのか。

厚労省今川:厚労省の残留農薬、アフラトキシンの検査は、厚労省の検疫所で厚労省の職員がやっている。それを分析するのも厚労省の職員だ。そこでおよそ4百数十項目の検査をしている。ただいっぺんに4百数十はできないので、今回はこの100項目、今回はこの100項目と順繰りにやっている。

安田:でも、検疫所の検査はサンプリング検査であってスクリーニング検査ではない。サンプリングだけとりおいといて荷物は通過するのではないか。

厚労省今川:今申し上げた検査はモニタリング検査で、荷物は通過する。たとえば、この検査で残留農薬が違反になった場合、その農薬で今後も違反が起こる蓋然性が高くなるかどうか調査して、サンプリングの率を上げる。

安田:全部食べちゃった後じゃないか。わかるのは。

厚労省今川:はい、それはそうだ。

会場:(あまりのことに、笑い)

安田:だから、50%やっていても、サンプリング検査で通関してみんなが食べちゃった後に、ああこれにアフラトキシンがあった、メタミドホスがあったといったって、みんなのお腹に入った後だ。どうしてそんな検査をやったなんて言ってるのか。

厚労省今川:率を上げて、違反になると、今度は通関せずに。

安田:だから、事故があった場合だけだ

厚労省今川:モニタリング検査はあくまで通関を認める検査だ。ただ、これで違反になれば回収というリスクもあるので、今多くのものは、野菜はさすがに流通させないと検査に一週間くらいかかるので、

安田:米なんか留め置いたらいいじゃないか。輸入米にコストがかかっていい。何で何もかもコストがかからないように入れるのか。MA米輸入にかかわるコストをどうして何もかも農水省が持つのか。商社の保険料まで。おかしいじゃないか。何でそんなに商社を優遇するのか。リスクがあってお金がかかるというのなら、正当なお金をかけて輸入米が入ってきたらいいじゃないか。

会場:一番リスクが大きいのが消費者だ。

会場(伊藤):どこでどう何が原因でアフラトキシンが発生したのか、是非、消費者としては知りたい。もう一つの質問は、穀物取引には国際取引のルールがある。たとえば、飼料だったら、トウモロコシは乾燥度みたいなものがきちんと決まっている。それに合格したものしか国際取引はしないと聞いている。米も穀物だから、そういうものがあるんじゃないかと思う。先ほど、輸入するときに検査するといったが、その時には乾燥度検査はするかどうか。私の知識によれば政府備蓄米は江東区に何億という倉庫をつくり、冷蔵保存をしている。輸入米は冷蔵保存ではないのか、もし、乾燥をきちんとして、衛生的なものだったら、ちっとやそっとでカビは生えない。理解に苦しむので、保管状態を教えていただきたい。

農水省二井:輸入の時も品質の検査のときも水分の規格がある。15%とか。

今野:検査をしたといわれても、国産と輸入米とでは内容が違う。輸入米の方があまい。先ほどの着色粒だが、国内産であれば0.1%だ。輸入米であれば1%だ。10倍もの違いがある。

農水省二井:それはある。

会場:ええっ。

農水省二井:価格が全然違う。輸出国の規格にあわせた形で取引だ。

会場:違う。向こうのいいなりで、買う側のニーズを考えて買うはずだ。向こうの言い値でいいなりに買わないといけないということか。

農水省二井:申し訳ないが、これは昭和30年代からの規格だ。

会場:だから、変えろって言っているだろう!!

会場:15%の水分でいれて、何度の温度で管理するか知らないが、麹菌が発生するのは何度だ。厚労省も何で、ちゃんと検査せんのだ。黙って聞いてりゃ人のせいにしてるじゃないか。

農水省二井:国内での保管は、国産であろうが、輸入したものであろうが15℃の75%の湿度になっている。湿度がちょっと高いが。

安田:厚労省の検査のことで聞きたいが、アフラトキシンと残留農薬はやっているというが、遺伝子組み換えの検査はどの程度しているか。たとえば、お米では海外で、特に日本が輸入しているアメリカや中国で遺伝子組み換えの未認可の、アレルギー性が懸念される禁止しなきゃいけないようなものが世界中に出回っていて、ビーフンからも味の素も回収せざるを得ないような事態があったが、検疫で、お米のDNAを調べる方法があるのか、それをやっているのか、どのくらいの割合でしているのか、ご説明願いたい。

厚労省今川:今まで厚労省の検査で検出されたものについては、すべて検査の命令がかかるので、入ってくるとすぐ検査する。その他に、各国でこのようなものを検出したという情報が得られるので、検査法ができるかどうかによるが、それに対する検査をモニタリング検査でやっている。その中で中国産の米とか米国産の米で年間200件、300件やっている。

安田:遺伝子組み換えの場合は、その品種のDNAの情報を提供してもらわないと、検査できないが、それは必ず、事故があった場合相手国からくるのか。

厚労省今川:必ず提供していただけるかどうかは、相手国の事業者さんによってくる。

安田:じゃあ、提供されなかった場合、日本の検疫では検査できないということにならないか。

厚労省今川:これまで問題のあったと諸外国で言われているものについては、検査はできている。

安田:そうすると、こちらには権利がないわけか。必ず、各国の検疫所にDNAの配列の組み替えはこういうものだという情報は、必ず提供せよと義務づけない限り、向こうは嫌だと言ったら、組み替えの米が入ってきても水際でとめることができないということになるのではないか。WTOでもそういうおかしいことを、情報提供を義務づけるべきではないか。それと輸入で入ってくる油だとか米とか、混合されても私たちはそれを区別することができない。そういうものに対して、輸入のものと国産のものと混合してはならないというのを、米もブレンド禁止、油も禁止と、少なくてもそれくらいはやっていただかないと。それを後追いする検査制度すらない。検証もできない制度を作るのはおかしいじゃないか

会場:(拍手)(怒りの声)

安田:市民が何を求めているかはこの集会で受け止めていただけたと思う。

辻:先ほど、厚労省の職員がサンプルをとってきて、それを検疫所か何かで分析すると言われたが、それは全部じゃない。検査検数の何%が厚労省が自分でサンプリングしているのか。

厚労省今川:それはモニタリング検査の計画があるので、3から4%くらいだ。お米の場合は。

辻:検査の数のことを聞いているのだが、たとえば、輸入業者がやる自主検査があるが。

厚労省今川:行政が行う3〜4%の検査と輸入業者が行う自主検査、あるいは命令がかかってやらなければいけない命令検査、これらの検査をすべてあわせると今は10%から11%になる。

橋本:先ほど提案したが、9頁を見てほしい。提携米研究会として、今の生産者に非常に厳しい検査制度を、今の制度内でこんなふうに改良できると提案している。とにかく簡易で合理的な検査、格付け制度を設けたいと。それにはロットごとに歩留まりの率を検査をする。それだけでよろしいんじゃないですかということだ。そうすれば一等米だけ偏重にらないし、農薬の乱用、着色粒なんかも全部解決できる。検討していただけるか。

農水省二井:先ほど申し上げたように、今いろいろ関係者に話を伺っているので、まず、どういう問題点、どういうふうに改善すべきなのか、あるいはすべてなのか、いろんな条件もあると思うので、そういうのをこれからお伺いして、検討に着手している。

会場:表示のことだが、一括表示をやめてもらいたい。全表示を実現していただきたい。私はアレルギーの食品表示を一番初年度からやった。その時に厚労省と農水省の表示の仕方が違っていて、整合性がないからできないと言われた。JAS法と厚労省のアレルギー表示と。消費者にとっては自己管理しなさい、成人病について国民は自分の健康を管理する義務があると言われてるわけだから、食品の情報をきちんと知る権利がある。一括表示は業者側のだ。たとえば、表示をする後ろのシールは何センチなので、この中に全表示をするのは無理だと一番初め言われた。だから私たちはシールをつくる会社まで行って、本当にこれ以上のシールをつくるのは無理なのかと調べた。大丈夫だと言われた。それでアレルギー表示検討会で、大丈夫といわれたという形で報告した。シールを大きくするとコストがかかるといわれるが、私たちは全表示を望んでいる。とにかく商品に関する全情報をしてほしい。

会場:それは無理だ。輸入がほとんど中国であって、原産国表示がお総菜関係はできない。無理だ。

会場:そうだ、だから、キャリーオーバーは無理になってきている。そうすると、検査どころじゃなくて、まず、そういうものは使えないということだ。カメムシの着色米についてだが、うちは化学物質にかなり反応する。カメムシの着色米は反応しない。(拍手)なので、消費者として安全なのはどちらか。多少、黒いものが入っていようが安全なものを買いたい。だから、農薬散布を奨励されたら本当に私たち日本に住む場所がなくて困っている。食べるもののなくて困っている。そこらへんを視点を変えていただいて消費者側にたって考えていただきたい。

安田:今回、非常に大きくその辺の矛盾が指摘されたと思う。聞き置くではなく、消費者の声として積極的に制度の変革について動いていただきたい。

今野:先ほどの検査制度のことだが、一等と二等の間にコストが500円かかると農水省が言ったが、あれは議員の国会質問の答弁だと思う。500円というのは嘘だ。それと、今年の2月の農産物検査検討会で、着色粒についての意見要望、それに対する農水省の考え方がでているが、それには、これまで出された意見として生産者側と業界側の二つの意見のみが出されていて現行規格とすると農水省の意見が書かれていた。審査もないまま農水省の考えだけで結論を出し、資料として配付されていた。これまで出された声はその二つだけではなかった。直接、私たちも農水省に2度おじゃまして要望書を出したし、また、地方自治法に乗っ取った地方議会からの意見書も数十通届いているはずだ。そういった見落としようのない声を検討会に出さないのは、作為的だ。そういった姿勢で今後も検討していくと言われても果たしてどうなのかと思う。

MA米の輸入が続いているのは、ガット、ウルグアイラウンドからの自由貿易を目指した考え方を続けているものだ。ところがここにきて世界の食糧事情が変わってきている。フィリピンなんかでは暴動まで起こっている。自由貿易ということで日本が輸入する、また輸出国は自主規制をするような時代になってきている。にもかかわらず、日本が必要がないのに、米を輸入することはそもそも今の時代に合わなくなってきている。そういうことをもう一回考え直さなければいけない。今のWTOの農業交渉についても、そういう食糧事情の変化を考慮した交渉ではない。こういったことをもう一度、国民の本当の意見を取り入れて転換していただきたい。

山浦:私もMA米が無用であるということと同時に、非常に不透明で問題だと思う。これを是非明らかにして本当に必要なんだということがあれば、ちゃんと証明してもらいたい。まず、2003年以前のMA米のなかの事故米のデータをはっきり公表してほしい。各業者にどれほど出ているのかということについてのデータはまだ公表されていない。それからMA米のからくりがおかしいと思う。農水省のOB、そして事業者の何か持ちつ持たれつの関係があるやなしやと思われる。MA米についても政府の収支決算を出していただいて、どこかで誰かが儲けていないか、おいしい餌にみなが飛びついていると、そこの疑問を是非はらすようなデータをだしていただき、こんなに公明正大にやっているんだということを潔白を証明していただきたい。それがなければ私たちはMA米の不透明な状況を見逃すことはできない。

辻:最後にお米の検査の問題だが、私たちの意見を聞くとのことだが、どうやって私たちに連絡するつもりか。

農水省二井:こちらから連絡する。

辻:私たちの連絡先を知っているのか。

農水省二井:消費者5団体に連絡する。

辻:消費者5団体じゃないって言っている。冗談じゃない。最初から問題提起をしている私たちを呼べと言っているのだ。

農水省二井:……。

辻:問題提起している私たちを何故抜かすのか。何遍もそちらにお伺いしている。何故、抜かすのか。とにかく、絶対私たちは呼んでもらう。(拍手)

安田:先ほどのやりとりの中で、SBS米が何故増えたのかということと、前回汚染米が7400トンと5年分しか発表されていないが、それを1995年から2008年までのMA米を受け入れた機関のすべての汚染米、飼料用の流れ、量などのデータは前回からお願いしているがまだ出ていない。出していただきたい。

農水省大坪:できるものは出したい。昔の資料はもうないものもあるが、わかるところは出す。

安田:長い時間ありがとうございました。私たちが納得できるまで農水省もお付き合い願いたい。(以上)

★資料請求していてまだ出ていないもの

  1. 輸入米の品位検査の項目と輸入米の等級の割合(1等、2等、3等、規格外がそれぞれ何%か。)
  2. SBS米の年度別輸入量と98年に倍増させた理由
  3. MA米輸入量の初年度からの数値
  4. アフラトキシンはどういうときに発生するのか。倉庫の中で突然9.5トンも汚染されるというそのメカニズム。
  5. アフラトキシン発生倉庫の数、管理状況
  6. 事故品という物の中で、食衛法違反のもの、カビ、水濡れがどれだけあるのか。6,最近5年間でいいが、MA米がどの倉庫にどれだけ保管されているか。
  7. 事故品といわれているものの中で、米の亡失、損傷はどのくらいか。最近5年間の数字。
  8. MA米汚染米を飼料用に回した数量、年度、相手先

資料

(2008/11/29)

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