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種子混入で、ダウ・ケミカルの組み換えトウモロコシ試験中止


開発企業でさえ制御不可能?!

8月11日、ダウ・ケミカル(本社米国)は、種子混入により組み換えトウモロコシの隔離ほ場試験を中止すると発表しました。ダウ社はつくばの独立行政法人農業環境技術研究所で除草剤耐性と殺虫毒素生成遺伝子導入の遺伝子組み換えトウモロコシについて、新たに必要になった生物多様性影響評価試験を行っていました(何で民間企業に税金で運営される研究所の圃場を使わせる?)。

ところが対象群の非組み換えトウモロコシに除草剤を散布したところ、なんと除草剤に耐性を示したものが15.6%もあり、それが日本では未承認の組み換え種子の混入があったことが判明、実験を中止をせざるを得なくなりました。

すでに市民グループの検査で、日本で販売されている米国輸入のトウモロコシ種子が、検体の4割に遺伝子組み換え汚染があったと報告されています。開発企業の本家本元でさえ種子管理が難しいのですから、今後もこのような一般種子にGM種子が混入することは避けられないでしょう。

政府は「GMと普通作物との共存」などと言っていますが、それはありえないことで、普通作物が組み換え遺伝子汚染を受けていくだけです。種子の汚染問題を放置することは生物多様性の重大な危機に繋がります。

(2004/08/20)

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