万歳!ベネズエラ、GMが禁止に!
2004年4月22日 GM WATCH THE WEEKLY WATCH NUMBER 69より
ベネズエラのウゴ・チャベス・フリエス大統領は、ベネズエラでのGM作物の生産は禁止すると発表した。これは恐らく西半球で遺伝子組み換えの作物に対する最も徹底的な規制の確立となるだろう。政府のGMOに関する政策の詳細はまだだが、Chavez大統領によるステートメントは直ちにベネズエラとモンサント株式会社が協定した契約の取り消しヘ導くだろう。
最近カラカスで開催された支持者の集会で、Chavez大統領はGM作物はベネズエラの農民および農場労働者の利益やニーズに反すると警告した。
遺伝子組み換えダイズをベネズエラで500,000エーカー植えるというモンサント社の計画を大統領は否決したのだ。大統領は、遺伝子組み換えの作物が処理の難しいものであることを知ったから「プロジェクトの終わりを命じた」と述べた。
大統領は、彼の決定の基礎として食糧主権と安全保障(ベネズエラの憲法によって要求されている)の重要性を強調した。モンサント社に遺伝子組み換え作物を生産させる代わりに、カッサバ(土地固有の作物)を生産するためにこれらの土地は使用されるだろう、と述べた。さらに、彼は、世界中の農民運動が求めている土地固有の種子を維持する大きな種子銀行の創設を発表した。これが米国を刺激し、クーデターを引き起こさないことを望みましょう!
安田節子コメント
チャベス大統領の勇気と政治家としての見識に心からの敬意を表したい。遺伝子組み換えの問題の本質を見抜いています。食糧主権を脅かし、食糧安全保障を奪い、生物特許を盾に、農民の自由を奪うのが遺伝子組み換え作物生産を推し進める多国籍企業の真の狙いです。米国政府がそれを後押ししています。種の絶滅が進んでいるうえに、組み換え作物による遺伝子汚染の広がりが生物多様性を損ない、人類共有の財産である遺伝子資源を破壊しています。土地固有種を維持するために種子銀行を創設するという考えは「種子」の危機という認識を明確に持っているからです。それに比べ日本は主食のコメの組み換え開発に無我夢中……。
(2004/4/25)