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認可数43品目!


厚生労働省、新たに3品目を認可

厚生労働省が7月17日に新たに3品目の組換え品種を認可しました。認可されたのは米国ダウ・ケミカル社の殺虫毒素生成と除草剤耐性を持つトウモロコシ、Herculex Iとアベンティス社の除草剤耐性大豆2種です。

これで日本が認可した遺伝子組換え作物は、6つの農作物トウモロコシ、大豆、砂糖ビート、ジャガイモ、アブラナ、ワタの43品種となります。

日本は、1996年秋から米国で生産された遺伝子組換え作物の輸入を始め、この6年間に認可品目を増やし続けています。

2001年4月からは、それまでガイドラインのため、未承認品種が見つかってもなんの罰則もない状態だったのを、消費者の強い懸念を受けて、ようやく未承認のものは禁止という規制が採られるようになりました。

米国で認めたものはどんどん認める政策に

しかし、消費者の思いとは逆にその後も次々と認可を増やしているのは、違法混入として積戻しにならないよう、米国で認めたものは日本もタイムラグなくすぐに認める方針をとっているからです。

いまや米国の認可数にほぼ近い43品目もの数を認めています。こんなにGM認可数の多い国は生産国米国以外では、日本しか見当たりません。

安全性評価の不備が指摘されつづけているにもかかわらず、遺伝子組換え作物を増やし、大量に輸入し続ける事態がいつまで続くのか。

表示制度は形ばかりで、消費者が組換え食品を避けたいという選択権は侵害されたままです。

米国に依存しつづける日本

世界最大の農産物輸入国である日本は、米国より1600万トンのトウモロコシ、480万トンの大豆を輸入し、米国に大きく依存しています。

これは主として、家畜飼料や植物油脂の需要のためです。当面は非GMへの切り替えや、GM生産のない国から調達しつつ、やがて国内資材の活用に智慧をしぼって国産をめざしたいものです。

そのためには消費者の食べ方を変えることが求められます。具体的には肉食、油の摂取を減らすことです。これらの取り過ぎが生活習慣病の蔓延を生んでいるのですから、健康のために変えることは、納得のいくことではないでしょうか。

(2002/8/21)

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