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組換えトマトはガン予防になるか


がん予防に効果的な組換え食品

特定の病気等に効果があると伝えられる組換え食品があります。一例として、米国パーデュー大学 (Purdue University) で偶然開発されたリコピンの含有量が多いトマトなどがあります。

遺伝子組換えでイースト菌の遺伝子を入れてトマトの赤色色素のリコピン(これには細胞の抗酸化作用があるので、ガンになりにくくなるといわれる)を2〜3.5倍に増やすのに成功したと報道されています。

こうした新食品は健康に寄与するか

さて、このトマトが商品化されたとして、このトマトをしっかり食べていればガンにならないと保証できるかといえば、それはできないことです。

作物(植物)はそれぞれ、さまざまな抗酸化作用のある成分を含んでいます。季節季節に採れる野菜は生命力があり、そうした成分も豊富です。そうした新鮮な旬の野菜をいろいろ食べることが健康維持のために必要なの であって、特定の、しかも遺伝子組換え技術をほどこした、安全性が確認できていないようなものを選んで食べるというようなことは、かえって健康を害することになるでしょう。

体には植物の特定成分だけではなく、さまざまな微量なミネラル、繊維などが必要なのです。

こうした遺伝子組換え食品は消費者メリットをうたえると開発者側は期待しているでしょうが、消費者の健全な食生活をゆがめるものでしかなく、百害あって一利なしと思います。

(2002/8/10)

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