デュポン社とモンサント社が遺伝子組み換え種子の特許でクロスライセンス契約
種子業界のトップ2社
アグロバイオの巨大企業であるデュポン社とモンサント社は、米国の種子ビジネスの1位と2位企業でもありますが、2002年の4月2日、両社は組み換え種子の特許権を相互に融通するクロスライセンス(特許権交換)契約を結んだと発表しました。
闘争から強調路線へ
両社はこれまでライバル会社として、特許盗用などで法廷闘争を続けていたのですが、これがお互いに大きな負担となっていました。
しかし今後は協調路線に転じ、これまでに開発された除草剤耐性大豆やトウモロコシなどの種子開発技術を無償で交換し、種子販売を広げていく模様です。
今後の展望
巨大種子企業が一体となって組み換え種子の国際販売のために米国政府を突き動かし、望まない人々、国々へ対し、これまで以上にWTO協定を盾にして強要を強めるのではないでしょうか。
予防原則(註:環境や健康への影響が懸念される場合、たとえ因果関係が立証される前であっても、予防的に慎重に扱うという原則)に立つ規制を求める議論が高まっていますが、これを認めないのならば、WTOは有害との認識が広がるでしょう。
両社が保有するターミネーター技術の応用にも懸念があります。
(2002/4/16)