農水省、飼料への未承認の組み換え混入を1%まで許容
未承認なのに合法?
農水省は、8月21日の農業資材審議会飼料分科会で、未承認の組換え品種の飼料への混入を、1%までなら販売を認めるという方針を発表しました。
未承認の遺伝子組み換え作物の混入許容値を設定するのは初めてのことであり、これは安全行政の大きな後退です。
本来なら、未承認品種は混入を認めないのがスジでしょう。今回の日本の許容値設定は、米国輸出業者を喜ばすばかりです。
許容値決定の裏には何が?
許容値設定の背景には、輸入飼料にスターリンク(日本では未承認の、米国で飼料用としてのみ認められた殺虫毒素生成コーン)の混入が避けられないとする判断があったと見られます。
『米国ではヒトへのアレルギー性の懸念から食品としては認められず、飼料としてのみ認められている』 のに、食品から検出されて問題になったスターリンク。
今年から生産禁止になりましたが、種苗生産の段階で普通コーンにもスターリンク汚染が広がっており、米国コーンを扱う業者にとってスターリンクの混入はやっかいな問題となっていたのです。
これに救済の手を差し伸べたのが今回のわが国の許容値設定であり、この結果混入は違法ではなくなり、これからは堂々とまかり通る事になってしまいました。
厳格な基準の欧州には輸出できなくなって、だぶついていたコーンを、日本が受け入れることは、米国の組換え生産を延命させることでもあるのです。
(2001/8/27)