遺伝子組み換え種子汚染について
遺伝子組み換え種子汚染とは?
このところ世界各地で遺伝子組換え種子の汚染事件が頻発しています。これは、遺伝子組換え種子が普通種子に混入したり、畑で交雑したりする問題です。
オランダの種苗会社の例
オランダの種苗会社アドヴァンタ(Advanta)社が販売した種子に、除草剤耐性を持つ遺伝子組み換え菜種(※)の種子が混入していました。
※97年から欧州市場での流通が許可されていたが、作付けについての許可はなかった品種
なぜ混入したのか正確にはわかっていませんが、種子の原産国であるカナダでは、99年の菜種作付面積のうち、62%にあたる340万ヘクタールが遺伝子組み換え品種用であり、その花粉が隣接する畑の非遺伝子組み換え菜種に影響を与えた可能性があるといわれています。
アドヴァンタ社は、作物の処分を余儀なくされている英国の農家に対し、賠償金として、2000年度の栽培面積1ヘクタール当たり337ポンドを支払うことに同意しました。
ドイツの対応
同じく被害を受けたドイツでは、2.1トンの種が300ヘクタールの畑にまかれ、遺伝子組み換え種子の混入率は0.03〜1%とみられています。
この菜種から加工された油はバイオディーゼルとしてのみ使われ、食用には使用されません。
被害を受けたノルトライン・ヴェストファーレン州では、州政府が3.5ヘクタールにまかれた菜種の全量を買い上げ廃棄することに決めました。
該当する農家の1人は、
「これらの菜種を加工することが問題なのではない。今、花盛りの遺伝子組み換え菜種の花粉が飛び、他の畑の作物に影響(除草剤耐性)を与えることが問題なのだ」
と話しています。
その他の例
7月と8月にフランスとギリシャが、輸入された種子に遺伝子組換え種子が混じる汚染が発見されたと発表しました。
そして、何千エーカー分もの大豆、カノーラ(ナタネ)、コットンの破棄を命令しました。
デンマークでは8月4日、1パーセント以上のGM大豆とトウモロコシの混入がわかった8品目の食品を、スーパーマーケットの棚から引き上げさせました。