各国の状況……イギリスの場合
狂牛病の教訓を忘れない英国民
イギリスでは、狂牛病の時の苦い経験があったので、プッシュタイ博士の研究発表を引きがねに、遺伝子組み換え食品に対して、大変厳しい態度を打ち出しています。
ホットな議論が繰り広げられている
例えば、チャールズ皇太子自らがウェブサイトのなかで、反対の姿勢で意見を表明していますし、イギリス政府に対する10の質問状を公表しているのです。
それは、「遺伝子組み換え食品で本当に飢餓を救えるのか?」 「生産者にとって、本当にコストダウンになるのか?」 といった、重要な論点についてで、皇太子自身の見解と、政府の回答が並列して掲載されています。
そのほかにも、ポールマッカートニーなどの有名人が反対していたり、いろいろな雑誌に記事が掲載されるなど、国民レベルで問題意識が浸透しています。
まったく売れない遺伝子組み換え食品
スーパーなどはもとより、アメリカに本部があるハインツなどのケチャップメーカー、マクドナルド、ケンタッキーフライドチキンなどのファストフード・チェーンでさえも、イギリス国内では遺伝子組み換え作物を原料として使わないと発表しています。
ここまでいわなくては、イギリスでは食品が売れないというところまで来ているのです。