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安田節子ドットコム

 

2012年08月

原発再稼動阻止は落選リストで!
5月5日すべての原発が停止して以来、なんの不都合もなく社会生活は営まれている。市民側の専門家たちからは原発なしで電力は足りているデータが示されている。関西電力の夏の電力は、節電や他電力等の融通で十分に足りる。

しかし、関電や政府は夏の電力逼迫で計画停電が避けられない、産業活動に支障がでると大飯原発再稼動反対の首長らを脅してきた。橋下大阪市長のように夏の電力ピークの期間に限って稼動を認めるという日和見発言も出てきた。

ところが野田総理は、6月8日の記者会見で、夏のピークのためといってきたのが、夏に限っての稼動じゃない、再稼動するんだと本音むき出し、大飯原発の再稼動を決定。聞いていて胃が痛くなった。

福島事故は収束しておらず、その原因究明もされておらず、いまだ汚染地帯に多数の住民を止めたままで救済されず、放射能汚染物は溜まり続けているのに、しかも危機的な4号炉の使用済み核燃料プールの崩壊を食い止める対策もできないでいるのに。事故の対策をなんら持たないのに動かすと決定したのだ。

原子力推進体のIAEAの進言によるパソコン上のストレステストというお祓いをすれば、原発稼動にお墨付きとは恐れ入谷の鬼子母神。免震重要棟やベント設備などの事故時の設備は、稼動したあとで整備にかかるとか、住民の避難計画も未整備のまま、大飯原発敷地内に走る軟弱な断層(破砕帯)が動いて地表がずれる可能性が指摘されても知らんふり。安全確保はまったくなっていないのだ。

大地震が予測される日本でこのままストレステストだけで再稼動が進められるなら、もう救いようがない。

この瀬戸際で徒手空拳のわれらにできることはないか。それは落選運動です!

地元選出の衆・参議員に原発再稼動に賛成か反対か電話で問います。

はっきり反対といわなかった賛成(答えないを含む)派の議員に
「お名前を落選リストに掲載させていただきます」と伝えて切ります。

名前を記入した落選リストを地元のなかまで集約し、ツイッターやブログ、HPで広めます。マスコミにも送りましょう。

選挙区別の国会議員の検索は Yahoo!みんなの政治 - 国会議員 から。(「いのちの講座 75号2012年6月27日」記事より転載)
2012年08月08日更新
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電力料金の1円不払いで抗議の意志表明を!
電気料金は引き落としは止めて、ずっと払い込みとしてきた。今月は「電気料金値上げのお願い(申請中)」という紙が入ってきた。「7月1日から平均10.28%の値上げを国に申請中で、理由は原子力発電の停止にともない火力発電の燃料費が大きく増加しているため」という。これは原発が止ると料金が高くなるよという脅しも含んでいますね。

安全コストを削った挙句、未曾有の事故を引き起こし、被災者の避難、救済、原因究明、責任者の処罰、収束、どれひとつできていないのに、変わらぬ手前勝手かつ傲慢な東電の態度は許せない。

東電が販売する電力量のうち、家庭向けの割合は38%にすぎない。しかし、この4割に満たない家庭向けの電力から、全体の利益の91%の利益が稼ぎ出されている。供給の62%を占める企業向けは割引料金のため、ここからの利益は9%にすぎない。東電の経営は、一般家庭分が支えているのだ。電気は地域独占であり、一般家庭の消費者は選ぶことができない。しかも家庭向け電気料金は、電力会社側が(経産省の承認を得たうえで)一方的に総括原価方式で決められる。

総括原価方式:電気料金=原価+利益(原価の3%)

電力会社の利益は原価が膨らめば膨らむほど大きくなる。原価を膨らませ、多大な利益を得たうえでそれをそのまま電気料金として徴収できるという殿様商売なのだ。原価には社員給与、原発建設費、維持費、原発地元への寄付金、テレビ、新聞の広告費などを含む。お陰で日本の電気料金は世界一高い。潤沢な資金でマスコミを支配し、議員を意のままに動かし、学会、司法までも取り込んできた。安全神話をばら撒くその資金を消費者が支払わされてきたという酷い構図。

河野太郎氏のブログによると、「子会社119のうち45しか売却をせず、残った子会社に役員達が天下り、随意契約で高い料金を支払い、消費者につけを回している。プルトニウムの保管料やPNTL(太平洋核輸送株式会社)に支払った船積み運賃などは一切公開せず、しかし、その分を再処理積立金として消費者に請求している。」
これらも原価に含めているということだ。

また、報道によれば、東電社員の年収を来年度46万円アップするという。1千人以上の大企業平均より28万円高くなる。この分も家庭向け電気料金の値上げの算定に織り込んでいるそうだ。東電に謝罪や償いの気持ちがあるのか。誠意をみせてもらおうじゃないかと言いたくなる。

◆ 個人でできる抗議、抵抗運動 「一円不払い」
この不当な料金値上げに対して、個人が戦う方法があります。それが1円不払いです。

大沢豊さん(立川市議)が実践して呼びかけている方法です。私もこの機に実践。ゆうちょATMで振り込むときに、金額確認画面に「訂正」という項目があります。

ここで金額を1円差し引いた金額に訂正をするだけです。電気を止めにきたら、不足分を払えばよいのです。1円なので延滞利息もつかない。

大沢さんによると、この日までに支払わないと電気供給を止めるという検針日から50日の二日後に止めに来たそうです。なぜ不払いをするのか、このときに伝えることができます。うちの場合は翌月分は金額訂正できないコンビニ用の用紙を送ってきました。ただいま、ゆうちょ用の振込用紙を請求して攻防中です。

毎月の支払いで、これを繰り返す。たくさんの人がこの抵抗をすれば、東電は新たにたくさん雇用しなければならなくなる。雇用創出にもなりますね。東電は家庭用電気利用者の抗議に顔を向けざるを得なくなるはずです。一寸の虫にも5分の魂。われらは1円で戦うのです。
2012年08月07日更新
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野田はNOだ!権力乱用の核推進
 6月15日、「原子力規制庁の設置に関する法案」は衆院で政府案が取り下げられ、自民・公明両党に民主党も参加した3党案を2時間で通してしまい、直ちに参議院に送って、この日のうちに趣旨説明が行われるという超スピードぶり。ところが、この3党案は原子力基本法の『民主・自主・公開』の「平和三原則」を骨抜きにし、目的に、「安全保障」を忍び込ませ、姑息なやり方で原子力基本法の改正を行おうとしているのだ。

世界平和アピール7人委員会の『原子力基本法の基本方針に「安全保障に資する」と加える改正案の撤回を求める』によると、「原子力規制委員会設置法案」の第1条には、「この法律は、・・・原子力規制委員会を設置し、・・・国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とする。」と書かれている(自民党の資料 下線は安田)。どさくさに紛れて、日本の原子力平和利用のあり方をも根底から覆そうとする企みだ。

原子力基本法の基本方針(第2条)は「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」となっていて、歴代政府は、原子力の軍事利用ができないのは、この法律に抵触するからだとしてきた。「我が国の安全保障に資する」という文言の挿入は、自民党などが言ってきた原発が作り出すプルトニウムを持っていることが核抑止になるという議論がここでよみがえったのだ。

プルトニウムを大量に保有し、ウラン濃縮技術を保持し、かつまた高度なロケット技術を持つ(宇宙基本法もその目的に、「わが国の安全保障に資すること」を含める改正を行い軍事利用の道を開いた)のは、日本の政治家と官僚の中に、核兵器製造能力の維持という意図があるからだ。

野田総理の大飯原発再稼動決定は、原発がなくても社会も経済も何の問題もなくまわっているという事実が権力にとって不都合なことだからというだけでなく、軍事的に原発稼動が不可欠と考える者たちの力が働いていると思える。原発立地県の首長たちへ強い圧力が加えられ、福井県知事に続いて愛媛県知事も伊方原発再稼動に言及。政府はこれから時計の針を逆もどしして、順次再稼動していくつもりなのだ。

しかし、それは稼動すれば生まれる放射性廃棄物問題でいずれ破たんする。原発はいままさにトイレのないマンション状態。全国の原発では高レベル廃棄物である使用済み燃料が満杯に近づいている。青森県六ヶ所村の再処理工場へ送られた分はプールにつけて、冷やしているがここも満杯状態。この再処理工場は核燃リサイクルの一環として、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランを取り出し、その後に生まれる高レベル放射性廃液をガラス固化して閉じ込めて10万年保管という絵空事の計画なのだが、ガラス固化実験が事故と失敗続きで頓挫している。去年、モンゴルに核廃棄物を持って行くという日米の計画に、モンゴルは当然拒否。かつて低レベル廃棄物を太平洋に廃棄する計画も、太平洋諸島の猛反対に遭い、ロンドン条約で禁止された。

現在原発から出る低レベル廃棄物(100ベクレル/kg以上)は六ヶ所村の処分場で浅い地層に埋めて、約300年保管することになっている。原発立地の核廃棄物と青森県に保管している核廃棄物の処理方法はないという現実。稼動すれば廃棄物で満杯になり自滅は自明のこと。瓦礫引き受けを発表した自治体首長が使用済み核燃料の処分場は引き受けないとわざわざ発言しているが、政府が瓦礫受け入れの自治体に法外な瓦礫処理費用とともに廃棄物処分場をセットで打診しているからではないか。(「いのちの講座 75号 2012年6月27日発行」より転載)
2012年08月06日更新
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