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2011年07月

児玉龍彦東大教授 満身の怒りを込めた参考人説明
児玉龍彦東大教授は放射性同位体の専門家の一人で、福島県南相馬市で学校などの放射線量測定を続け、市に調査や除染を指導している実務当事者です。

児玉教授は汚染の実態を知るものとして、国の無策に対し、やるべき対応を示しながら切実な訴えをされています。

「除染に関する現行の法体系は、少量の高い放射性物質が前提で、今回の実情と合っていない。国の各種指針は専門的な知見を十分に反映しておらず、低い線量の放射性物質の膨大な飛散への対策は、国任せにしてはおけない状況だ。子孫への責務を果たすためにも、関係者が総力をあげる必要がある。」
測定と除染を急げ/児玉龍彦東大教授に聞く 2011年7月1日

また、7月27日 (水) 衆議院厚生労働委員会の参考人として 国の原発対応に満腔の怒りを込めた参考人説明をしています。その姿勢に涙がでます。人々の側に立って、行動、発言する学者がここにいる。

ぜひ、証言の動画をユーチューブからご覧下さい。
2011.07.27 国の原発対応に満身の怒り - 児玉龍彦
2011年7月27日 (水) 衆議院厚生労働委員会「放射線の健康への影響」参考人説明より
児玉龍彦 (参考人 東京大学先端科学技術研究センター教授
東京大学アイソトープ総合センター長)

⇒参考
JCJふらっしゅ [まぐまぐ!]
2011年07月30日更新
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ラウンドアップとGM作物が生み出した新たな病原体
近年、遺伝子組み換えのラウンドアップ耐性(ラウンドアップレディ)ダイズとトウモロコシで病気が増加し、またこれを餌とする家畜で原因不明の自然流産や不妊の増加が見られる。

米国パーデュー大学の名誉教授で著名な土壌学者であるDon Huber(76歳)は41年間情報分析官として勤めた米国陸軍大佐を退職したあと、Purdue大学で研究を始め、2006年退職後中西部、フロリダ、ブラジル、カナダの他の研究者らと共同研究を続けている。

2011年1月17日、米国農務省(USDA)の長官Tom Vilsackに宛てに文書を送った。

この2年の間にダイズでは突然死症候群(SDS=sudden death syndrome)が、トウモロコシではゴス青枯病が、小さな穀物の立枯れ病も同様に生育に悪影響を与えた。そしてこれらを飼料にした牛、豚、馬、家禽の自然流産と不妊の原因不明の増加が見られた。

通常の種から育った穀物に比べてラウンドアップレディの種子から育ったダイズとトウモロコシには高い濃度でHuberが懸念する病原体が見つかっている。以前から知られている要因を消去法で調べたあと、新しい病原体が残った。新しい病原体は動物感染症の原因の探索でダイズ粕とコーン製品に豊富にいることがわかった。現在まで検査したすべての症例においてそれが存在することがわかった。病原体は微小であるため電子顕微鏡で38000倍に拡大しないとみることができない。

ダイズのSDSはフザリウムソラニ(Fusarium solani fsp glycines)とグラム陽性菌のClavibacter michiganensis の亜種によって引き起こされる。トウモロコシのゴス青枯病は、Nebraskensisが原因病原菌であり、その新しい病原体はこれらの病原菌との遺伝子互換性と相乗効果をもつという。

2008年の生産期から今日までにグリフォサート(除草剤「ラウンドアップ」の有効成分)で処理された米国の農地は1億5千5百万エーカーを超える。 Huberは、除草剤の植物と動物に対する毒性の証拠として以下を指摘する。グリフォサートは植物を枯らす。ラウンドアップ耐性のGM作物は枯れないが、グリフォサートはGM作物の防御機構を損ない、病気にかかりやすくする。作物の必須栄養素の可用性と取り込みを削減させ、病原菌の病原性を増加させるという。すべては査読付の学術誌に発表された100以上の論文による。その後新たに発見された病原体は自然界では新しくないが、科学的知見としては新しいものである。グリフォサートを撒いた土壌では明らかにこの病原体が増加する。そして作物に取り込まれ、飼料を通して動物に伝えられる。人間には作物や肉によってもたらされる。

Huberは米国の大豆とトウモロコシの輸出市場の崩壊と国内の食料、飼料供給の深刻なブレークダウンと混乱を引き起こすことになり、緊急事態として扱うよう主張した。しかしUSDAはHuberの警告を無視して、1月27日にはアルファルファを、2月には砂糖ダイコン(シュガービート)を、規制緩和し認可した。どちらもラウンドアップ耐性の遺伝子組み換えだ。

2千万エーカーにのぼるGMアルファルファの無規制の認可は、毎年除草剤グリホサートを2千3百万ポンドを散布する結果になるだろう。アルファルファはハチによって受粉し、ハチは数マイルも離れたところへ交雑をもたらす。GM作物は必然的に自然の、またオーガニックのアルファルファを汚染する。

Vilsack が1月27日にGMアルファルファを無規制で認可したとき、直ちに食品安全センター(Center for Food Safety )と Earthjustice はUSDA の規制緩和の承認は違法と提訴した。Huberは共同研究者たちの名前を伏せている、なぜなら激しい攻撃や不当な圧力を受けることになるからだ。Huberは嵐のような攻撃のなかに立っているが、まもなくHuberたちは病原体を特定し、名前をつけることができるだろう。

出典:ISIS 科学者は嵐のような攻撃のなかで主張のために立ち上がった(訳:安田)

(「いのちの講座 70号」7月22日発行 より転載)
2011年07月27日更新
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