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2008年08月

兼松、カナダで非組み換え大豆増産
世界的な食料価格高騰で最大の輸出国である米国からの非組み換え大豆の調達が難しくなっている。しかし、非組み換え大豆には確実な需要があるとの認識にたって、業者は新たな入手先を開拓するということが心強い。

8月16日の日経ニュース

兼松、非組み換え大豆増産 カナダで来秋収穫2倍に

によると、商社の兼松は遺伝子組み換え技術を使わない食用大豆をカナダで増産するという。大豆は日照の関係で北緯43度程度が作付けの北限とされ、カナダでは生産地域が限られていた。兼松は5年前からオンタリオ州立大学などの学術機関、大手種苗メーカーのヘンドリックシード社と共同で交配による大豆の品種改良に取り組み、2年前に従来の北限より北の地域でも生産可能な品種を開発した。来秋の収穫量を今秋予定の2倍強の1万5000トンに増やすそうだ。

国産大豆での自給を目標とし、それまでの過渡期を非GM大豆の輸入で補っていくことでGM大豆を食べない選択をし続けること。消費者の心得は決してあきらめないことだ。
2008年08月19日更新
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マイケル・ポーラン 「アメリカ人の危険な食生活」
デモクラシーナウ!ジャパンの以下のサイトでマイケル・ポーラン教授のインタビュー動画をぜひ、ご覧下さい。

米国のみならず、加工食品がスーパーの棚を席巻し、テレビの栄養素情報に振り回され洗脳されているのは日本の消費者も同様です。食べ物はそのほんの一部の元素だけが意味があるわけでなし、その栄養学的評価だっていつ変わるかわからない、その程度のもの。

ともあれ「祖父母が知らなかったものは食べるな」です。GMもクローンも添加物も。

以下は
DemocracyNow! Japan
より

「今日たいていのアメリカ人が口にしているものは食物ではなく、食物に似た工業製品だ」──マイケル・ポーラン教授によれば、米国の食生活を危機に陥れている元凶は2つです。第一に、自然の食品に付加価値をつけるため、高度な加工処理を行い、食物を工業製品化する食品産業です。思いのままに栄養素を強化し、いつまでも腐らない工業食品がスーパーの棚にあふれ、自然食品は手に入りにくい、ぜいたく品となります。

第二に、食品そのものよりも、そこに含まれる栄養素が大事だと唱える「栄養学主義」です。これはイデオロギーであって科学ではないとポーランは批判します。科学的根拠の乏しい「善玉」「悪玉」のきめつけや、「栄養素」万能の食品評価などによって、食生活を歪ませていると。このような怪しげな科学に基づいて私達の食生活が変えられるのは恐ろしいことです。どうしてこんなことになってしまったのでしょう?ポーラン教授は、具体的な事例によってわかり易く説明してくれます。

食品企業と栄養学主義は、持ちつ持たれつの関係です。米国の主な栄養学団体には食品企業が多額の支援を行なっているそうです。お抱え栄養学者は、企業の望みどおり製品の効能を見つけてくれます。

栄養学主義が台頭するきっかけとなったのは、1977年のマクガバン上院議員による「米国の食文化」についての報告だとポーランは言います。戦後の心臓病の急増は赤身肉の食べ過ぎが原因だと考えたマクガバン議員は、赤身肉をあまり食べないようにとの勧告を出し、食品業界から猛反発をうけました。

マクガバンは1980年の選挙で牛肉業界の反対運動に遭い、落選しました。それ以来、米国の食文化を批判するときには、意味不明の栄養学用語を使うという不文律ができたとポーランは言います。飽和脂肪の話はよいが、食品そのものの評定はいけないのです。

「消費者を混乱させ、栄養素の話もできるので、食品業界は大歓迎です。加工食品は栄養素を設計できます。飽和脂肪の値を下げたり、抗酸化物質を増やしたり。自然食材は変えられませんが、加工食品なら善玉を増やし、悪玉を減らすのも思いのままです。だから業界は栄養学が大好きだ」。(中野真紀子)

ゲスト:
マイケル・ポーラン(Michael Pollan), カリフォルニア大学バークレー校の科学環境ジャーナリズム教授。 最新書はIn Defense of Food: An Eater's Manifesto(『食を守れ 食べる人宣言』)。前著The Omnivore's Dilemma: A Natural History of Four Meals(『雑食動物のジレンマ 4つの食事の成分を追う』)は、ニューヨークタイムズ紙ならびにワシントンポスト紙の2006年ベスト10冊に選ばれた。
2008年08月11日更新
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