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2005年07月

食品に関するリスクコミュニケーション議事録
国際獣疫事務局(OIE)のBSEルール改正案に対する意見交換会に出席しましたが、その議事録がアップされました

食品に関するリスクコミュニケーション(OIEにおけるBSEルールの改正に関する意見交換会(第2回))

議事録が掲載されています。
興味のある方は、ぜひご一読を。
2005年07月26日更新
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JA「経営実務」 05年6月号「私の一千字発言」より
国際競争を理由に農業の基本政策には相変わらず「規模拡大」の言葉が並び、バイオなど先端技術農業を推進するとし、農水省も全農も遺伝子組み換えイネの開発に執着しています。また企業の参入に道を開き、大規模経営や野菜工場など高付加価値施設栽培に期待をかけています。

しかし本当に求められるのは地域農業が消費者の支持に支えられ、存続し、地域の繋がりや環境を育んでいけるようにする政策ではないでしょうか。

環境を最も汚染しているのが日本農業と言われます。単位面積あたりの農薬使用量が世界一だからです。一方、世界の多くの国々は有機農業への積極的な転換・支援を進め、大幅な伸びを示しています。世界的に安全と環境保全が消費者の選択基準になりつつあります。タイ・中国では輸出も視野に入れた有機農産物生産が拡大しています。

先日のぞいたオーガニック・フェアでは米国産有機あきたこまちが2キロ1280円で販売されていました。米の高関税が引き下げられれば、さらに安く有機の米までもがどっと日本に入ってくるでしょう。太刀打ちできなければ田んぼは消えていき、日本は滅んでしまいます。

日本は、米国から遺伝子組み換え作物を世界一輸入しています。BSE問題では、米国は要求をエスカレートさせて、30ヶ月以下の牛を検査なしで7月までに輸入再開せよと迫ってきています。

自給率をここまで下げ、米以外、胃袋をほぼ米国に預けた結果、独立国家とはもはや言えない追従の国に成り下がってしまいました。

国民の権利である「食の安全」のみならず平和まで脅かされているように思えます。

貿易自由化による国際競争によって、食料生産はぎりぎりまでの効率・生産性が追求された結果、肉骨粉を与えて狂牛病をもたらし、過密飼い・薬漬けがウイルスの変異を促して、致死性の鳥インフルエンザを世界的に多発させるようになりました。

この方向は間違っていたのです。

農業は本来、健康、環境、農家、生物多様性を守り、持続可能で循環的な生命維持産業なのです。人々が真に求め支持する、安全で、遺伝子操作されていない、品質の高い食べものを作ること、自給の回復と農業の未来を拓くのはこの道しかありません。

早く農協に有機部会が欲しいものです。
2005年07月08日更新
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